翌日、総理大臣失脚のニュースが流れた。
そのニュースにはキュースレーの悪行動画はフェイク動画であったというコトも報道された。
その結果、キュースレーは完全に立場を取り戻し、元の医療の形に戻った。
今日もキュースレーが人々を救うサイレンの音が鳴り響く。
そして俺はナナに呼び出され、病院の屋上に来ていた。
「お待たせしました」
「リクさん!来てくれてありがとうございます!」
満面の笑みで迎えてくれたナナに安心する。
「平和が戻ってきましたね」
「はい」
ナナは空を見上げる。
俺たちの他に誰も居ないこの空間は静かで居心地が良かった。
「捕まって、檻の中に入れられて、もう外にも出られないと思ってました」
ナナは淡々と語り出す。
「でもリクさんが来てくれた...。リクさんの姿が見えた時、心から安心しました」
「...俺もナナさんが連れていかれたって聞いた時は心臓が潰れるかと思いました。見つけられて良かったです」
俺とナナの視線が交わる。
瞳が合ったコトが恥ずかしいと思いつつ、視線を外したくないと思った。
「あの日は私達の身体の調子とか色々確認するコトでバタついちゃって、ちゃんと言えてなかったので...」
そう言いながらナナは俺に満面の笑みを向ける。
「助けてくれてありがとうございました」
その言葉を聞いて俺はナナを抱きしめた。
「リ、リクさん!?」
「...ここに居るんすね」
ナナの体温を感じる。
このまま会えないかもしれないと思った瞬間もあった。
失ってしまうと思った瞬間もあった。
それでもまた会いたいと願った。
失いたくないと願った。
そしてナナの元に辿り着き、助けるコトが出来た。
「本当に良かった...」
ナナはそっと俺を抱きしめ返す。
「私もリクさんとまた会えて良かったです...」
そして俺たちは離れ、また互いに見つめ合う。
「...私あの総理大臣を許すコトは出来ません。私達に怖い思いをさせて、捕まえて...。それでも...」
ナナはそう言いながら瞳を伏せる。
俺は静かにナナの言葉の続きを待つ。
「それでも、あの人の行動の根本にあったのは息子さんを助けたかったって気持ちだと思うんです...。その気持ちは分かるから...。その気持ちだけは否定できないんです...」
ナナの瞳が揺れる。
あの総理大臣を許せない気持ちと理解できる気持ちで揺れているのだろう。
「良いんじゃないすか」
「え?」
「良い人にも悪い面があるように、悪い奴にも良い面とは言えなくても、理解できる部分はあってもおかしくないっすよ。人間なんてあやふやな存在なんすから」
俺は出来る限りの優しい顔でナナを見る。
「許せない気持ちも理解する気持ちも同時に持ってて良いんすよ」
その気持ちの揺れは優しいナナだからこそ持ち合わせるものなのだろう。
俺に必要なのはそんなナナを受け止めて、それで良いと伝えるコトだと思った。
俺の言葉にナナは張り詰めていた気が抜けたように柔らかい表情になる。
「...ありがとう...ございます...」
そしてナナはまた空を仰ぐ。
その表情は吹っ切れた顔だった。
そしてナナは俺の方を向く。
真っ直ぐな瞳に俺の胸がドキッとする。
「私、後悔しないように生きなきゃダメだなって思ったんです」
そしてナナは俺の顔に触れる。
「貴方が好きです」
ナナの口から出た言葉。
その言葉を聞いて俺の顔は真っ赤になる。
「え!?」
「ふふっ。いつでも私を助けてくれて、私のヒーローになってくれる。優しくてカッコいいリクさんが好きです」
「え、あ、いや、その...」
「リクさんに振り向いてもらえるように頑張るので覚悟してくださいね!」
「振り向くっていうか...その...俺は...」
「じゃ、じゃあ、私はこれで...!今日はありがとうございました!」
顔を真っ赤にしたナナはそのまま走って帰ろうとする。
俺は咄嗟にナナの手を掴む。
思い出すのはさっきのナナの言葉。
「俺も後悔しないように生きます」
小さくそう呟きながら、俺はナナを抱き寄せ、そのままキスをする。
聞こえてくるのは俺の鼓動の音。
それはいつもの何倍も早く鳴っていた。
そして俺はナナの口から離れる。
「俺も貴方が好きです。貴方を失いたくない」
俺の言葉にナナは更に顔を赤くした。
「え、あの、その...」
「ハハッ、顔真っ赤」
「リ、リクさんだって真っ赤です」
そして俺たちは笑い合う。
そのニュースにはキュースレーの悪行動画はフェイク動画であったというコトも報道された。
その結果、キュースレーは完全に立場を取り戻し、元の医療の形に戻った。
今日もキュースレーが人々を救うサイレンの音が鳴り響く。
そして俺はナナに呼び出され、病院の屋上に来ていた。
「お待たせしました」
「リクさん!来てくれてありがとうございます!」
満面の笑みで迎えてくれたナナに安心する。
「平和が戻ってきましたね」
「はい」
ナナは空を見上げる。
俺たちの他に誰も居ないこの空間は静かで居心地が良かった。
「捕まって、檻の中に入れられて、もう外にも出られないと思ってました」
ナナは淡々と語り出す。
「でもリクさんが来てくれた...。リクさんの姿が見えた時、心から安心しました」
「...俺もナナさんが連れていかれたって聞いた時は心臓が潰れるかと思いました。見つけられて良かったです」
俺とナナの視線が交わる。
瞳が合ったコトが恥ずかしいと思いつつ、視線を外したくないと思った。
「あの日は私達の身体の調子とか色々確認するコトでバタついちゃって、ちゃんと言えてなかったので...」
そう言いながらナナは俺に満面の笑みを向ける。
「助けてくれてありがとうございました」
その言葉を聞いて俺はナナを抱きしめた。
「リ、リクさん!?」
「...ここに居るんすね」
ナナの体温を感じる。
このまま会えないかもしれないと思った瞬間もあった。
失ってしまうと思った瞬間もあった。
それでもまた会いたいと願った。
失いたくないと願った。
そしてナナの元に辿り着き、助けるコトが出来た。
「本当に良かった...」
ナナはそっと俺を抱きしめ返す。
「私もリクさんとまた会えて良かったです...」
そして俺たちは離れ、また互いに見つめ合う。
「...私あの総理大臣を許すコトは出来ません。私達に怖い思いをさせて、捕まえて...。それでも...」
ナナはそう言いながら瞳を伏せる。
俺は静かにナナの言葉の続きを待つ。
「それでも、あの人の行動の根本にあったのは息子さんを助けたかったって気持ちだと思うんです...。その気持ちは分かるから...。その気持ちだけは否定できないんです...」
ナナの瞳が揺れる。
あの総理大臣を許せない気持ちと理解できる気持ちで揺れているのだろう。
「良いんじゃないすか」
「え?」
「良い人にも悪い面があるように、悪い奴にも良い面とは言えなくても、理解できる部分はあってもおかしくないっすよ。人間なんてあやふやな存在なんすから」
俺は出来る限りの優しい顔でナナを見る。
「許せない気持ちも理解する気持ちも同時に持ってて良いんすよ」
その気持ちの揺れは優しいナナだからこそ持ち合わせるものなのだろう。
俺に必要なのはそんなナナを受け止めて、それで良いと伝えるコトだと思った。
俺の言葉にナナは張り詰めていた気が抜けたように柔らかい表情になる。
「...ありがとう...ございます...」
そしてナナはまた空を仰ぐ。
その表情は吹っ切れた顔だった。
そしてナナは俺の方を向く。
真っ直ぐな瞳に俺の胸がドキッとする。
「私、後悔しないように生きなきゃダメだなって思ったんです」
そしてナナは俺の顔に触れる。
「貴方が好きです」
ナナの口から出た言葉。
その言葉を聞いて俺の顔は真っ赤になる。
「え!?」
「ふふっ。いつでも私を助けてくれて、私のヒーローになってくれる。優しくてカッコいいリクさんが好きです」
「え、あ、いや、その...」
「リクさんに振り向いてもらえるように頑張るので覚悟してくださいね!」
「振り向くっていうか...その...俺は...」
「じゃ、じゃあ、私はこれで...!今日はありがとうございました!」
顔を真っ赤にしたナナはそのまま走って帰ろうとする。
俺は咄嗟にナナの手を掴む。
思い出すのはさっきのナナの言葉。
「俺も後悔しないように生きます」
小さくそう呟きながら、俺はナナを抱き寄せ、そのままキスをする。
聞こえてくるのは俺の鼓動の音。
それはいつもの何倍も早く鳴っていた。
そして俺はナナの口から離れる。
「俺も貴方が好きです。貴方を失いたくない」
俺の言葉にナナは更に顔を赤くした。
「え、あの、その...」
「ハハッ、顔真っ赤」
「リ、リクさんだって真っ赤です」
そして俺たちは笑い合う。



