エンドロールは救いの詩を

俺は真っ暗になったスマホを見続ける。
暗い画面にうっすらと映るナナの姿。
その姿からは今何を思っているのか読み取るコトはできなかった。
「なんで......」
ナナは小さく、そう呟く。
「私達は助けたいから助けてきたのに......なんで責められなきゃいけないんですか......」
ナナは肩を振るわせる。
そして瞳から涙が溢れていた。
俺はナナを抱きしめた。
「絶対こんなのおかしい。間違ってる」
こんな横暴なコトがあって良いわけがない。
キュースレー排除に協力しろと言っていた総理大臣の顔を思い出し、怒りが込み上げる。
「ナナさんは俺が守ります」
「リクさん......」
ナナも俺を抱きしめる。
小さい身体を震わせる彼女を守りたいと強く思った。
そして俺の腕の中に居るナナは突然俺から離れる。
ナナはスマホを急いで見る。
「どうしました?」
「救難信号です......。街中に救難信号を出している人がいます」
治療が必要な人が押す救難信号のスイッチ。
それを今押した人が居るというコトだった。
「行かなきゃ」
ナナは走り出そうとする。
俺はナナの手を掴む。
「今出ていくのは危険です!」
「でも助けを求めてる人がいるんです!」
初めて聞くナナの大きな声。
その声には助けたいという気持ちだけがこもっていた。
「危険なのは分かってます。でも助けを求める声を無視するコトなんて私には出来ません。たとえどんな危険があろうと、私は呼ばれる限り、助けに行きます。......助けに行きたいんです」
俺は目の前にいるナナを助けたいと思っていた。
でもナナは助けを求める人全員を助けたい。ずっとそう思っているのが痛い程伝わってきた。
俺はどうするべきか悩んでいた。
それでもナナの真っ直ぐな瞳を見てしまった時、答えは出てしまった。
「......分かりました、行きましょう。どこですか?」
俺の答えを聞き、ナナの表情は柔らかくなる。
そしてすぐに真剣な顔になり、救難信号が出された場所を俺に伝えるのだった。