エンドロールは救いの詩を

*****

「星が綺麗ですね...」
「そうっすねぇ...」
日が暮れ、星がよく見えるようになった夜空を俺とナナは眺めている。
他愛ない話をしながら、隣同士で座って過ごす時間が心地よかった。
少しの沈黙を破ったのはナナのスマホが鳴った音だった。
「あ、すみません」
そう言ってナナはスマホを取り出し、少し慌てた様子で手を動かす。
「どうしたんすか?」
「いえ、緊急通知の音だったので...何かあったのかな...」
そう言いながらナナはスマホを操作する。
そんな様子のナナを見ていると俺のスマホも鳴った。
電話を掛けてきたのはアキだった。
ナナも届いた連絡を確認しているし、俺も電話に出て良いかと思い、通話ボタンを押した。
「どうした?」
『リク、今ニュース見てる?』
「ニュース?見てねぇけど...」
『ちょっとヤバいコトになってる。今...』
アキが何かを伝えようとした。
その言葉を遮るように聞こえてきたのはナナの「えっ!?」という驚いた声だった。
「え、どうしたんすか?ナナさん」
俺は突然の声に驚き、咄嗟にナナに声を掛ける。
『ナナさん?』
俺のその声を聞いたアキは名前を繰り返す。
「あ、今ナナさんと一緒に居るんだけど、なんかあったっぽくて...」
『待って、ナナさんってキュースレーの?』
「あぁ、そうだけど...」
『リク、落ち着いて聞いて。今、国でキュースレーを排除する動きがある。警察がキュースレーを捕まえてる。ナナさんも危ない。今すぐ誰も居ない場所に移動して』
アキが焦った口調でそう伝えてくる。
俺はアキが何を言っているのか分からなかった。
キュースレーを排除って何だ...?
ナナが危ない...?
俺は隣にいるナナを見る。
ナナは泣きそうな顔をして俺の方を見る。
「リクさん...今...キュースレー内の緊急連絡で...警察が私たちを捕まえにきてるから...逃げろって...」
ナナの不安げな顔。
「きゃあ!」
その時遠くで女の悲鳴が聞こえた。
俺とナナは悲鳴が聞こえてきた方へ走る。
そこには警察官とキュースレーがいた。
キュースレーは警察官に腕を掴まれ、そのままパトカーに乗せられ、何処かへ連れて行かれた。
それを見て、俺はアキが言っていたコトは本当に起こっているのだと分かった。
俺は再び話し始める。
「アキ、取り敢えず俺たちは街外れのアジトに行く。何か分かったら連絡してくれ」
『分かった』
そう言ってアキとの通話を終わる。
そして俺はナナの方を見る。
「ナナさん、取り敢えず安全な場所に連れて行きます。着いてきてください」
俺はナナの手を取り、走り出した。