ナナside

今日は休日。キュースレーの友人であるルナちゃんと私は軽く食事をしようとカフェに入った。
「ねぇ、ナナあそこにいるのって...」
私はルナちゃんが見つめる先を見る。
そこにはリクさんと綺麗な長い髪の女の人がいた。
「リクさん...」
「やっぱりナナと仲良い人だよね?」
「な、仲良いなんて...たまたま会ったコトがあるだけで...」
言葉ではそう言っているが、動揺が止まらない。
リクさんに彼女がいてもおかしくない。
私はただの知り合いのキュースレーであり、リクさんのプライベートに踏み入って良い存在ではない。
それなのに今一緒にいる女の人が誰なのか気になって仕方がなかった。
「よし、あそこの近くの席行くよ」
「え、ルナちゃん?」
ルナちゃんはバレないように、リクさん達の後ろの席に座る。
私とリクさんは席を挟んで背中合わせになる。
恐る恐る後ろを向き、リクさんと一緒にいる女の人の顔を見る。その女の人は色っぽく、美人という言葉がとても似合う顔立ちをしていた。
「で、なんだっけ?」
女の人に話しかけるリクさんの声が聞こえる。
「今度ここ行こうよ。2人でさ」
「俺家でゴロゴロしてーんだけど」
「も〜そんなコトばっか言って〜。この前私がリクを助けたの忘れたの?」
「はいはい感謝してますよー」
「ここさアトラクションも良いんだけど、美味しいスイーツ屋もあるんだよね。いっぱい食べたいから付き合ってよ!」
「はいはい」
繰り広げられる会話。明らかに2人で出かける計画を立てていた。
「ねぇ...やっぱり付き合ってるのかな...?」
ルナちゃんが小声で問いかける。
「わ、わかんない...」
私はそうとしか答えられず、再び2人の会話に耳を澄ます。
「さっきからてきとうな返事ばっかり。私とのデート嬉しくないの?」
女の人から出たデートという言葉。やっぱり2人は付き合っているのだろうか...。
「はいはい。嬉しい嬉しい」
そう言いながら立ち上がるリクさん。
私達は急いでメニュー表で顔を隠す。
「ちょっとリク〜」
「ほら、もう行くぞ」
そう言って2人は店の外に出ていった。