けれど、これでようやく、メンバーが揃ったようだ。
「よし。それじゃあ行ってくるよ」
やっと、わたしの出番だな。
「……え。あの、あおいさん? どこへ行かれるんですか?」
けれど、張り切って立つわたしの服を、ちょっと待てとなぜか彼が引っ張る。
「え? だってあれってさ、みんながわたしと対決するための予選会みたいなものでしょ?」
「いいえ違います。 あなたとお祭り行きたいだけですよ彼らは」
「え? だから、今からわたしとの対決がはじまるんでしょ?」
そう言ったら、勝ち組のみんなが一斉に壁の方へと後ずさった。
「……え。な、なぜ逃げる。そのために君たちは勝ったのではないのか……」
「いいえ違いますあおいさん。彼らは彼らだけでの戦いをしていただけので、あなた全然関係ないです」
「ええ!? で、でもわたしと一緒に行くんでしょ? ちょー当事者じゃん」
「日本語がおかしいです」
でもでも! わたしにだって選ぶ権利があるでしょ? あるよね? ……だって、わたしは。
「ヒナタくんと……行きたいもんっ」
……あれ。反応がない。ど、どうしたのだろうかと、外した視線を戻すと、目の前の彼は目を見開いたまま、こちらを見上げていました。
「……う。……えーっと……」
その視線にちょっと居たたまれなくなってきて、耐えられなくなってきて。「な、なんでもない……っ!」と、取り敢えずバトルフィールドへ逃げようと足を踏み出す。
「ぅえっ――ぶふ……っ!?」
けれど、逃げる前に腕を掴まれ引っ張られ、座っている彼の胸元へダ~イブ! 思い切り顔をぶつけ、ただでさえ低い鼻が……って、デジャブだなあっ。
「はーい。今こいつの声聞こえた奴。記憶から抹消しろ。脳内から抹消しろ。この世から存在を抹消しろ」
うえっ?! ちょ、ちょっとヒナタくん?! 一体どういう――――
「ぶふっ!!」
起き上がろうと思ったら再び彼の胸に戻されて、また鼻が潰れました。本当に、真っ平らになったらどうしてくれるんだ君は。
しかもこんなことしてたら、みんなからまたヤーヤー言われ……



