『…………嘘吐き』
もう一生分の幸せを、オレはもらえたから。
――――――…………
――――……
余計なことまで思い出したせいで、馬鹿みたいに顔が熱くなった。
「いやあれは、なんて言うか。寂しさからって言うより、愛おしさが込み上げてきたって言うか……」
って、何一人で弁解してるんだ。
一人暮らしが長いと、独り言が多くなるってほんとだな。
ふうとひとつ息を落として、ゆっくりと頭をもたげる。
彼女にとっては、きっといい思い出はないだろう。でも、オレにとってここは、大事な場所だった。
昔会っていた少女が、オレだということ。君を、何が何でも助けると伝えた場所。まともにチョコも受け取らず、突っぱねて泣かせた。オレの前では、泣いてくれなかったけれど。何かを始めるには、必ずここにいた。
「だから、ここは相応しい場所なんだ」
……さあ、終わらせよう。
「……来たよ。ヒナタくん」
「うん。待ってたよ、あおい」
君への……――――隠し事を。



