すべての花へそして君へ②


『…………嘘吐き』


 もう一生分の幸せを、オレはもらえたから。


 ――――――…………
 ――――……


 余計なことまで思い出したせいで、馬鹿みたいに顔が熱くなった。


「いやあれは、なんて言うか。寂しさからって言うより、愛おしさが込み上げてきたって言うか……」


 って、何一人で弁解してるんだ。
 一人暮らしが長いと、独り言が多くなるってほんとだな。

 ふうとひとつ息を落として、ゆっくりと頭をもたげる。
 彼女にとっては、きっといい思い出はないだろう。でも、オレにとってここは、大事な場所だった。

 昔会っていた少女が、オレだということ。君を、何が何でも助けると伝えた場所。まともにチョコも受け取らず、突っぱねて泣かせた。オレの前では、泣いてくれなかったけれど。何かを始めるには、必ずここにいた。


「だから、ここは相応しい場所なんだ」


 ……さあ、終わらせよう。





「……来たよ。ヒナタくん」

「うん。待ってたよ、あおい」


 君への……――――隠し事を。