『……ちょ、ちょっとヒナタくん』

『ん?』

『い、いや。ん? じゃなくてだね……』

『……どうしたの』

『いや、……えーっとだね』

『なに。はっきり言いなよ』

『じゃあ言おう。どこに手を入れようとしているんだ君は』

『ブラウスの中』

『やめなさい』


 まあね、落ち着いた頃にお家デートなんかもしたんです、一応。取り敢えず、なんかもう早かったから『ゆっくりでえー!!』って、それはもうお願いしました。ええ。本気で。――これ以上は聞かないで。


『……酷いよ葵。約束破るなんて……』


 ああそうそう。シントのお誕生日会もしたんだった。けどトーマさんとかキサちゃんとか、理事長の誕生日も近かったからみんなで一緒に、盛大にパーティーを開いたんだけど。なんかシント、部屋の隅っこの方でちっちゃくなってたな。そういえば。まあこの辺は省略で。

 そんな新しい生活が、今まで冷たくなっていた隙間を埋めるように、ゆっくりやさしくスタートした。学校生活はそんな感じで。変わったところもあったりなかったり。やさしい温もりに包まれながら、日々の生活にこれ以上ないほどの幸せを感じつつ、毎日を楽しんでいる。

 そしてわたしの新生活で、大幅に変わったこと。それが何かと申しますと――――。