すべての花へそして君へ②


 それで、話は終わると思っていた。
 けれど彼女は、パンッと軽く手を合わせ、こう言って次の話題へと話を振ったのだ。


「それじゃあ“この流れのまま”、アイくんのこれからについて、ちょっと聞かせてくれるかな?」


「参考ついでに!」そう言って手を合わしたまま、懇願するように彼女は話を続けるけれど……。
 俺は、引っかかった言葉に、どうしても驚きを隠すことはできなかった。


「……あおい、さん……?」

「ん?」


 いや。……まさか、そんなはず。
 確かに、彼女なら有り得ないことはないけれど……。


「……でも、まさか。そんな……」

「あーいくん」


 そして、動揺を隠しきれない俺に、彼女はさっきしていたように、シーッと人差し指を唇の前に一つ、立ててみせた。


「アイくんがさっき言ってたんだよ――」

【大体見当は付いていたんだろうと思っていた】

「……ってね?」


 そうして笑った彼女は美しくて……。
 やっぱりほんの少しだけ、俺には怖く見えたんだ。





「このことはちゃんとわたしの口からも言いたいから、これは内緒ね? 約束」

「は、はいっ!」

「なんでそんなにビクビクしてるの?」

「な、……なんだか、未来で尻に敷かれている九条くんが見えたので……」

「あは! そんなことないよー。いつでもどこでもわたしがあのお方の下僕だよん」

「(……やっぱり大物だよ、九条くん……)」