それで、話は終わると思っていた。
けれど彼女は、パンッと軽く手を合わせ、こう言って次の話題へと話を振ったのだ。
「それじゃあ“この流れのまま”、アイくんのこれからについて、ちょっと聞かせてくれるかな?」
「参考ついでに!」そう言って手を合わしたまま、懇願するように彼女は話を続けるけれど……。
俺は、引っかかった言葉に、どうしても驚きを隠すことはできなかった。
「……あおい、さん……?」
「ん?」
いや。……まさか、そんなはず。
確かに、彼女なら有り得ないことはないけれど……。
「……でも、まさか。そんな……」
「あーいくん」
そして、動揺を隠しきれない俺に、彼女はさっきしていたように、シーッと人差し指を唇の前に一つ、立ててみせた。
「アイくんがさっき言ってたんだよ――」
【大体見当は付いていたんだろうと思っていた】
「……ってね?」
そうして笑った彼女は美しくて……。
やっぱりほんの少しだけ、俺には怖く見えたんだ。
「このことはちゃんとわたしの口からも言いたいから、これは内緒ね? 約束」
「は、はいっ!」
「なんでそんなにビクビクしてるの?」
「な、……なんだか、未来で尻に敷かれている九条くんが見えたので……」
「あは! そんなことないよー。いつでもどこでもわたしがあのお方の下僕だよん」
「(……やっぱり大物だよ、九条くん……)」



