すべての花へそして君へ②

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「大変! 寄り道してたら3分過ぎてた……!」


 救急箱とペットボトルのお水に、まだ温かい缶コーヒーとその他諸々。それらを抱えたわたしは、先程彼といたS校舎裏へ、超特急で向かっていた。

 あのあと彼と別れて、いろんなことを考えた。
 さっきはもしかして、タカトと呼ぶたびにヤキモチを妬いていたのかなとか。だからあんなこと言ったのかなとか。多分レンくんにも妬いたんだろうけど、明日レンくんに朝イチで生死の確認しようかなとか。……あれ? そういえばヒナタくん、手首にも足首にもついてなかったような。もしかして願い事はもう叶ったのかな? とか。

 それだけではない。いろんなことまで思い出した。

 彼とはじめて会ったときのこと。ここで再会したこと。
 文化祭。キツい言い方をしたことに謝ってくれたこと。……そういえば、怪盗さんにはもうならないのかな。

 ……助けてくれたこと。
 わたしを好きだと、言ってくれたこと。

 こうして彼の元へ走っていられることは、もしかしたら訪れることのなかった未来だ。
 でも、今こうしていられる。わたしの隣で、笑ってくれる。

 今でも思う。全部全部、わたしの願望が生み出した夢だったのではないかと。
 でも、それを現実だと思わせてくれるのは、他でもない彼の存在だった。


(――だから、わたしも隠し事はもうよそう)


 端からこんなことは向いてないんだ。だからモヤモヤするんだ。胃の下辺りが、ムカムカするんだ。


「ヒナタくんあのねっ。わたし――――」


 彼は、なんと言ってくれるだろうか。
 応援、してくれるだろうか。それとも止められてしまうだろうか。

 ……ううん。なんとなく何を言われるのかわかってる。


 だから、怒られたらまず、ごめんって謝ろう。
 わたしのこと、よくわかってる彼なら、きっとわかってくれるから。


「……っ、わたしは。ヒナタくんがいるから強くあれるんだよ!」


 大好きな君がいれば、わたしはどこまでだって飛んでいけるんだ。