すべての花へそして君へ②

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「……いって」

「もうっ、なんで劇に私情入れた挙げ句怪我するかな」

「でも勝った」

「負けず嫌いなんだから」


 あの後劇は最高潮に達し、姫と王子は復讐しに来た王子たちを見事撃退。大歓声の中、二人でなんとなく愛を誓い合って(ヒナタくんが照れて恥ずかしがって『絶対やだ』って渋ったから)無事幕を閉じた。

 戦いの最中、わたしはアイくんとシントに、圧倒的な力の差を見せつけた。二人から繰り出される剣先を、わたしも剣先でピンポイントに突いて受け止め、二人が避けられるギリギリのところを狙って攻撃。最終的には、彼らの剣を奪うようにくるりと先を回し、武器を奪ってから二人とも思い切り背負い投げしてやったのだ。
 わたし同様、M気質のある二人は負けてもなんだか嬉しそうな顔だったけど。いやはや困ったものだ。


「……そういえば、戦いながら何話してたの?」

「あー、……別に」

「言いなさい」

「……はい」


 その後、ツバサくんとの戦いで擦り剥いたり打ち身してしまった彼の治療のため保健室へ。ユズちゃんの容態も気になったし。


『あーやめとけやめとけ。今部外者は立ち入り禁止だ』


 けど、保健室から出てきた臨時の先生にそう止められてしまったのだ。まあ、救急箱なら生徒会室にもあるし。二人の邪魔をするのは野暮というもの。


「……親睦会の時にさ」

「ん? そこまで遡るんだ」

「オレとツバサペアになったじゃん。まあ、それではじめは二人してアキくんたち探してたんだけど……」


 そこで話題に出てきたのが、例のクマさんらしい。


「え? でもヒナタくんもクマさんくれたよね?」

「そうだけど、あんたがツバサにやったのは見てない」

「……見たかったんだ」

「それで、どんなのかツバサに聞いたら……」


 まあ教えてくれなかったんだと。
 だから、その日は実家に帰って、ツバサくんがお風呂に行っている間に部屋の中を……。


「えっ、荒らしたの!? み、見たかったんならわたしが見せたのに……」

「最終目的は、“見たかった”じゃない」

「え」