けれど視線が合った瞬間、ばつが悪そうに顔を背けてしまう。
「そうとは知らず、ストーカー紛いなことして怖い思いをさせた俺は、とんだ最低男です。ごめんなさい」
深々と頭を下げると、今度は彼の髪がバニラ色から金色のグラデーションに染まった。本当に綺麗だと。そう思った。
「……かなくん」
あたしは、彼やあおいちゃんみたいに純粋で綺麗じゃない。
かなくんの気持ちが傾くなら何だってできるくらいには性格悪いし、かなくんを振り回すくらいにはズルいし、自分が傷つかないように生きたいし幸せになりたい。
そんなあたしだけど、でも、せめて彼の前でだけは素直でありたいから。
「あたしの身勝手で、今までたくさん振り回してごめんなさい」
「……俺は、振り回されたなんて……」
「怖かったのはため息じゃないの。……怖かったのは、あたしといて嫌な気持ちにさせてたらどうしようって」
「……ユズちゃん」
「必死に話題を探したのは、もう付き纏わないで……って、言われるんじゃないかと思って」
「…………」
「連絡を取れなかったのは、かなくんから拒絶されるのが怖かったから。そんなことするような人じゃないって、わかってるからこそ怖くて。もうやめてって。かなくんの口から言われるのが、怖かったの」
「とんだ勘違いさせてたんだね、俺」
「かなくんのせいじゃない。だから、今までいっぱい、ごめんなさい」
「うん。わかった」
「それはそれで、勘違いだったってことでひとまず区切りをつけよう」そう言って、彼は小さく両手を合わせた。
「俺が予想ついてたのとは違うけど、避けられてた理由はわかった。でもそれだけじゃないよね。ユズちゃんは今、その肝心な理由をわざと繋げようとしない。俺はさっきから聞いてるよ。どうして今日、会いに来てくれたのかって」
それは、もう少し、もう少しって、引き延ばしたかったからだ。
嫌われてたわけじゃない。もう怖くない。そうわかったから、余計に言いづらくなった。覚悟を決めて、ここまで来たのに。



