すべての花へそして君へ②


 彼女の使っていた剣を受け取り、わたしはヒナタくんと背中合わせになり、ゆっくりと彼らと対峙する。


「時にお姫様? この後のご予定とかは」

「……特には。まあ夕暮れの鐘が鳴る頃には、彼らを倒した報酬を持って、いい加減な王様のとこ行かないといけないですけど」

「おお! だったらそれまでは暇がおありで?」

「ええ。ところで王子様」

「ん? はい、なんでしょうかお姫様」

「……この後一緒に文化祭回ったり――」

「申し訳ない姫様! わたしこのあとクラスの【ミステリーサークル体験】のシフトが入ってて」

「……いや、だったら聞かないでよ。期待したんだけど。ていうか何? え? ミステリーサークルって体験するもの??」

「でも、勝手にこんなこと企んだんですから、少しくらいわたしたちにも報酬があってもいいと思いません?」

「……すっげえ同感」


 と、いうことで。話がまとまったところで、彼らに切っ先を向ける。


「雪の女王のクソ王子はオレがやる」

「ご指名どうも?」

「じゃあわたしは、こっちの不法侵入王子と元行方不明者をやるね」

「不法侵入って。俺たち一応家族じゃないですか。家族の劇見に来て何が悪いって言うんですかーあおいさんっ」

「元行方不明者って。王子でも何でもなくなってんだけど葵。せめて劇ではかっこいい王子でいさせて!」


 さあ、そろそろ最終決戦といきましょう。


「あとさ」

「ん?」

「文化祭終わったら、話……するから」

「……うんっ。わかった」

「それと……」

「……ん??」

「黙って守られておくつもりありませんかね」

「そっくりそのままお返ししますよ」

「男が女に守られるほど、情けないことなんてないんだけど」

「だからって、ただ守られるだけの女に、わたしはなった覚えはないよ」

「……強情」

「そっちこそ」

「馬鹿」

「うっ、確かに」

「変態」

「それは悪化した」

「終わったらまずどこ行く? 行きたいとこある?」

「全部!!」

「「「話長い!!」」」

「ふはっ。――了解。んじゃそろそろ」

「律儀に待ってくれた王子様方のお相手、しましょうかね」


 れでぃー…………ごうっ!