けれど、お姫様の前で頭を下げた、そのときだった。
先程まで倒れていた王子たちが、再び『僕』に襲いかかってきたのだ。
「っ、く……。マジこいつらしつこい……」
「ひっ、……姫様。キャラ守って……」
でも、すんでの所で気づいたヒナタくんが、置いたわたしの竹刀を掴み、三人分の剣を受け止める。
『油断したなクソ王子』
『お姫様に守られるなんて無様』
『姫を傷付けられたくなければ、その命今すぐ差し出すんだな』
なんだか王子様たち、どんどん悪役と化していってますけど。
「……ていうかこいつらなんでこんなにやる気なわけ? さっきので終わればよかったのに」
「あー、……理由はわからないけど心当たりはあるかも」
「は? ……どういうこと?」
『ごちゃごちゃと五月蠅いんだよ!』
会話に割って入るように大きく振り下ろされた剣から、わたしたちは弾かれるように飛んで逃げる。
『俺たちにはね、どうしても負けられない理由があるんだよ』
『そうなんですー。なんてったって、倒したらそのあとクソ王子のこと好きにしていいって言うんですからー』
『そうなったらもう、何が何でも倒すしかないだろ』
「「…………はい?」」
要するにあれですか。【王子を倒した人たちに、この後の自由時間をプレゼントしちゃうよー】と。そういうこと……?
「「「そういうこと」」」
(あー……だからオウリくんたち、あんなに頑張ってたのね。成る程、合点がいったわ)
けどさ、それって誰かに許可とってます?
もちろんわたしにはとってもらってませんけど。わたしよりも第一に許可を取らねばならぬ人が……。
「誰の許可無しにそんなことしようって……?」
あ。事後報告するつもり満々だったのね……。
『か弱いお姫様は、強い王子の背中に守られてな』
「……お生憎様。眠り姫はただ守られるような性分じゃないんでね」
「……日向。ちょっとは役に寄せようとかしろよ。言い出しっぺのくせに」
「オレの知らないところでそんなこと計画してた奴に言われたくない」
仲がいいんだか悪いんだか。
まあそれはさておき。
「あっちゃんファイトー!」
「キサちゃん」
「ん??」
「わたしに何か言うことある?」
「……ふふ。あっちゃんなら絶対勝てるよ」
「ヒナタくん泣かしたらキサちゃんでもわたし怒るからね」
「おっとー。気を付けます。健闘を祈ってるよ!」
「ありがと」



