「……じゅ」
「じゅうぶんの……いち」
「いや、さすがにそれはないでしょ。手は抜いてると言っても俺、八割は出してるよ」
「あ、そうなんだ。……え。シント、忙しすぎて弱くなった? 大丈夫?」
「はあ? (ピキッ)」
「はじめからこれくらい……だったのかな。買い被りすぎた? わたしが無理できなかったからそう思ってただけなのかな」
「ちょ、……あおいさん。しんとさんも落ち着いて」
「アイくんも。もしかして平和惚けしてる?? やっぱりあの頃よりも気迫ないし……なんかひょろい」
「……なんて言いました、今(ピキピキ)」
「ツバサくんも――」
「その辺でやめとけ。何が目的で焚き付けようとしてんのか知らねえけど、さすがに何言われても、俺らはお前に本気なんて出せねえんだよ」
「わたしの王子像ね、実はツバサくんもモデルなんだけど……」
「……は? え。ちょ、待て」
「あは! なんかあれだね。王子になってはみたけど服に着られてる感じ? もうちょっとかっこよくなるかと思ったけど、ツバサくんよりもわたしの方がだいぶかっこいい気が――」
「それはちょっと聞き捨てならねえ!!(ブチッ)」
剣を交えながら十二分に焚き付けたところで。
きっとなんだかんだで本気は出せないのだろうけど、先程よりは十分に気迫に満ちた三人が、一気に飛びかかってきた。
(三人には申し訳ないけど――――!!)
トンッとひとつ、地面を切っ先で突き。低く構え、鞘から刀を抜くような姿勢で、わたしは彼らを迎えた。
『人の恋路を邪魔する暇があるのなら、さっさと自分の姫様を捜しに行くことだなあッ!!』
「はあああ!!」と横一文字に剣を走らせ、一気に三人を薙ぎ払った。
「……ふう」
倒れている彼らを一瞥し、しんと静まり返る中ゆっくりと視線を上げたそこには、律儀にマントを握り締め地面にへたり込んでいる愛しい人の姿。
溢れ出す愛しさに笑みをこぼしながら、脇目も振らず倒れている彼らの脇を通り、そっと跪いた。
『只今戻りました、姫――――』
「……っ! 危ない!!」



