何度も、……何度も何度も。啄むようなキスを落として、名残惜しそうに彼はゆっくりと離れていった。
酸欠でぼーっとしている間に、再び戻って組み敷いてくる彼は、何度もやさしく、わたしの頭を撫でながら髪を梳く。そうされるだけで気持ちよくて、一気に目蓋が重くなった。
「……あおい。寝ないで」
可愛い声に呼び起こされ何とか意識を繋いでいたけれど、あてがわれたそれに、あつさに、一気に目が覚めた。
「っ」
「そんなに力入れられたら、入るものも入らないんだけど」
「は、……はい、る……の?」
「やってみる前から諦めるの?」
……なんだ、この遣り取り。
こんなところで負けず嫌いを焚き付けてどうするってんだい。
「……大丈夫。無理はさせないから」
けれど彼は、やさしい顔でまた、わたしの頭を撫でた。
「ひなたくん……」
「だから、痛かったら我慢しないで。すぐ言って」
「……うん」
「いい子」
そしてもう一度頭を撫でて、彼は再び、わたしの体をこれでもかと言うほどやさしく、慈しむように触れてくる。
指先で、唇で、舌先で。触れられたそこから、あっという間に力が入らなくなる。
それでも彼は、時間をかけてわたしを愛してくれた。
「あおい」
……そして、もう一度そこへ、彼は触れた。
ゆっくりと、気遣うように彼は体を沈めてくる。けれど、逆にそれがもどかしくて焦れったくて、何度も何度も、彼の名を呼んだ。
「いっ……」
彼のおかげでそこまでの痛みはなかったものの、思っていたものを超える質量に思わず、小さく声を洩らしてしまった。
それを、目の前にいる彼が聞き逃すわけもなく。
「まだちょっと早かったかな」
離れた彼は、「ごめんね、無理させて」と、上から包み込むように抱きしめてくれた。
慌てて首を振ってわけを話すと、一瞬目を丸くしたあと可笑しそうに彼は笑う。
「でもま、痛い思いさせたいわけじゃないからね」
「またゆっくり慣らせばいいよ」と、ごろんとわたしの横に寝転んで、目を細めながらまた頭を撫でてくれた。
もしかして、いつも彼はこんな風に撫でてくれていたのだろうか。だとしたら、なんてもったいないことを今までわたしはしていたのだろう。
「ん? ……なーに」
愛おしそうな顔でわたしだけを見つめてくれているのに。こんな貴重な表情を、もっと前から独り占めできてたのに。
それでもやっぱり、見られて嬉しいことには変わりないので、そっと彼に擦り寄った。
「がんばって、起きててよかったなーって」
「あ。頑張ってたんだ」
「うん。これでもう、馬鹿ちんともヒナタくんをかわいそうだとも言わせない」
「……ん? 誰にそんなこと言われたの」
「え? キサちゃんとユズちゃんに……あ」
「……へー」



