「わりかしすんなりいったけど、まだ一本でもキツいか」
小さくこぼした彼は、「大丈夫? 痛くない?」と、中で静かに動かしながら体中にキスの雨を降らせる。
今までなら、この時点で疲れ果てていて……。それでほぼ毎回気付いたら朝でしたーなんてことになっていたけれど。
「……あ、珍し。今日は起きてる」
だって、キサちゃんに馬鹿ちんって言われたんだもん、とか。だってユズちゃんに、ここまでおバカだとひなくんかわいそうとか言われたんだもんとか。今日はそれ通り越してランナーズハイみたいになってるんだもん。……とか。
こういうこと自体久し振りで、頭も体も、わたしの何もかもがヒナタくんに触れられることを喜んでるみたいなんだもんとか。
「ん? どうした?」
でも、また恥ずかしげもなくこんなことを考えていることが、大人しくなっていたわたしの羞恥心を蘇らせてしまった。
「なな、……なんでも、ない」
「ようには見えないけどね」
一度、真っ赤になった顔を両手で隠したけれど慌てて外した。下で動く彼の指を、鮮明に感じてしまったからだ。
そんな様子のわたしに、一度目を丸くした彼は小さく笑う。
「何でそんな可愛い顔すんの。ほんと、煽るの上手いよね」
そんな顔をしたからなのか。それとも、なんでもないと隠したことが気になって仕方がないのか。
「……痛かったら、すぐ言って」
絶対後者。だけど、もしかしたら彼もいろいろ我慢が限界だったのかもしれない。
徐々に。そして激しく動き出したそれに、わたしは嬌声を上げながら何度も体を反りあげた。
「ぁ……。はあ……」
ほんと、容赦ないこの人。確実に明日に支障が出る。そう思った。
「二本目入れたけど痛かった?」
けろっとしながらそんなこと言ってくるし。
ていうかいつの間に入れたんですか、もう一本。ぜんっぜん気が付きませんでしたけどっ。
「そ。……なら、よかった」
心底嬉しそうに。そしてほっとしたように息を吐いた彼は、前髪を掻き上げおでこにそっとキスを落とす。
そのままするりと下りて、上気したわたしの頬を彼の手がやわらかく包み込んだ。熱った体に、彼の手はひんやりと気持ちがいい。
「……あおい」
そして、蕩けるようなキスが、わたしの全身を甘く、溶かしていく。
深くて……甘くて……いつまでも繋がっていたい。
「……何でそんな顔すんだよ。止まんねえだろ」
荒っぽく塞がれても。呼吸を奪われても。それでも今は、繋がっていたくて。
「……ほんと、可愛すぎなんだけど」
ただ、必死に応えていた。



