ふはっと噴き出した彼は、強くわたしの体を抱きしめてくる。
その力加減に、心地のよい拘束感、なんて言葉がしっくりきて思わずわたしも噴き出してしまった。意味的には正反対の位置にある言葉が一緒に並ぶだなんて、なんとおかしなことだろう。
「……ん? なに。何がおかしかったの?」
不思議そうにこちらを覗き込んでくる彼には、曖昧に笑っておくだけにした。
けれど、それで納得するような彼でないのは、皆さんよくご存じのこと。
「言わないんなら吐かせるまで」
むすっと拗ねたかと思ったら、はじめは軽く……そしてだんだんと深まるキスを与えてくる。
「んんっ……」
水音を出しながら激しく絡み合う舌に、体が震える。
しばらく経ってゆっくりと離れていった彼とは、厭らしく銀色の糸で繋がれていた。
「……そうやって、可愛い顔してたら黙ってても許されると思ってんだ。ま、いいけど」
本当に、たいしたことじゃないのに……。
本当に下らないことを訊こうと、再び上から下へ、彼の繊細な愛撫がはじまる。触れられる度、鼻にかかるような上擦った甘い声が洩れ、小さくわたしの体は戦慄いた。
「……っ」
けれど、彼の指がそこへと触れた瞬間、先程まで戦慄いていた体が一瞬で強張ってしまった。
「ははっ、いまさら。もう何回か入れてるのに」
「これだけ濡れてたら大丈夫だろうけど」と、一度あてがった指を離し、口に含んでからもう一度そこへと触れてくる。ゆっくり、そっと。
「かたいかたい。力抜いて」
自分の体の中に何かが入ってくるというのは、普通に考えれば至極恐ろしいことで。ましてや大好きな人の体の一部だなんて。いろいろ考えないわけがない。
「……んっ、はあ、ぁっ」
でも、降ってくるキスの雨にそんな怖さも考えも溶かされてしまって、わたしの体はいつの間にか、彼の侵入を受け入れていた。



