『白雪姫を殺しなさい』
狩人に助けられた白雪姫は
逃げ込んだ森で小人たちと暮らしていました
『赤くて甘いリンゴは如何かな』
しかし、そんなある日のこと
粗末な身形をしたおばあさんが
美味しそうなリンゴを持ってきます
やさしい白雪姫は
そのリンゴを買って食べることにしました
けれどそれは毒リンゴ
一口齧っただけで死んでしまいます
『ここは一体どこだ……』
けれど、ちょうどそこへ
道に迷った少年が通りかかりました
長い間彷徨っていたのか
服はボロボロ
そして空腹が彼を苛んでいました
『……あの、もしよろしければ』
心やさしい白雪姫は
自分の持っていたリンゴを彼に分けてあげることにしました
『そのリンゴは是非、可愛いあなたに食べてもらいたいのじゃが』
けれど、それを
おばあさんに化けた悪いお妃様が許すわけありません
困っていた白雪姫とおばあさん
彼女たちの様子を見て、
少年……いえ、王子はそっと手を差し伸べます――
そしてここで黒衣さんの登場。
選択肢1
【気持ちだけ受け取り、おばあさんと一緒に白雪姫がリンゴを食べる様子を見守る+おばあさんの手を取る】
選択肢2
【有り難くそのリンゴをいただく+白雪姫の手を取る】
書かれていた選択肢にふっと笑い、わたし――王子はそっと手を取った。
『せっかくだ。ここにいるみんなで食べようじゃないか』
両方の手を取ると
ちょうどタイミングよく小人たちも帰ってきます
おばあさんのカゴの中には
まだたくさんリンゴがありました
よい案だよい案だ!
小人たちも大喜び
渋々といった顔で
おばあさんはそれぞれにリンゴを渡します
けれど
毒が入っているのは白雪姫が持っているもののみ
それを口に入れた瞬間
逃げ帰ればいいのだ
悪いお妃様はそう考えていました
『おっと失礼』
そのときです
リンゴを受け取ろうとした少年が
白雪姫にぶつかってしまい
彼女は誤ってリンゴを落としてしまいます
『申し訳ない。あなたのリンゴはこれでしたね』
すぐさま土を払い
少年は白雪姫にリンゴを渡しました
悪いお妃様はほっと胸を撫で下ろします
『それでは……いただきます』
とうとう白雪姫は
リンゴを齧ってしまいました。
そして、苦しそうに唸ったあと
彼女の体は大きく傾いでいきます
『白雪姫! どうしたのですか!』
少年と小人は、慌てて彼女の体を抱えます
けれどその後ろでおばあさんは
大きな声を上げて笑っていました
『これで……これでこの世で一番美しいのはこの私だ!!』
そう叫んで、おばあさんは
この場から立ち去っていってしまいました



