実は、体育祭後のお祭りに予算を割く代わりに、クリスマスの方の予算を削られてしまったのだ。もちろん、それを提案したヒナタくんが悪いというわけではない。
『面白そうだね。でも、与えるばかりはあまり賛成できないな』
そこで、お祭りを提案したわたしたちに理事長が出した条件。それが、文化祭での予算集めだった。
「それはそうだけど……うーん、何かいいのないかなあ」
今年の会計を務めるツバサくんやカナデくんは、今のままでは不十分だと口を揃える。同じく会計のアカネくんも、それについては今頭を捻っているところだという。
確かに、ある程度までは集められるだろう。何せメンバーがメンバーだ。人気投票で集められたと言っても過言ではない人たちがするコスプレ喫茶なんて、きっと店がごった返すに決まってる。
けれど、だからこそ難しい。この人数で飲食店なんて、人気があっても人手がなければ一日の儲けはだいたい予想ができるのだ。それに、それまでの準備だって大変だし、何より人気なのは料理ではなく人物なのであって、回転数はそこまで稼ぐことはできないだろう。
『君たちだけの力で頑張ること。それが条件だよ』
何か、いい案は転がっていないだろうか。
(……? なにやってるんだろ……)
そんなことを思っていたときだ。なぜか、一人だけ黙々と会議に参加せずスマホを触っている人がいたのだ。
わたしは彼の後ろに忍び寄って、そっと画面を覗いてみることにした。
「……シャッフルドラマ?」
「うん。明らか喫茶店じゃ割に合わなさすぎるから」
「劇に絞って、何か良さげなのないかなと思って」と、背後に立ったわたしに驚いた様子もなく、ヒナタくんはあっさりそう答えてくる。大きな見出しなどは読めたものの、他の検索画面上にある小さい文字は、さすがに覗き込まないと読めそうにはない。
それを見越してか。少しズレた彼は、空いた椅子の半分をポンポンと叩いていた。どうしようか戸惑ったものの、下からじっと見つめられてしまったので、「みんなごめん」と心の中で謝りながら、彼の椅子に腰を下ろすことに。
「そ、それで? シャッフルっていうのは……」
「そのままだよ。物語をシャッフルして繋げるだけ」



