だから正直に二人が帰ってこないことを相談すると、パチパチと不思議そうに瞬きをする。何か、おかしなことを言っただろうか。


「ああ、ごめんごめん。すっかり忘れられてるのかと思って。ちょうど二人のこと、かわいそうに思ってたからさ」


 一瞬耳を疑ったけれど、未だにくつくつと笑う彼はどうやら、二人が今どこにいるのか知っているらしい。


「あ、あの、二人は今どちらに……」

「その前に、今からみんなでゲームしない?」


 突如――パンッと一つ手を叩いただけでその場の主導権を握った彼は、持っていた鞄の中から数台のタブレット端末を取り出した。


「題して、【百合と桜の親睦を深めるために、制限時間内に二人を救出しよう!】てなところで」


 にっこりと笑顔を浮かべる彼から渡されたタブレット。
 そこに映されていたのは、19:00までのタイムリミットと【LIVE】の文字。そして――――


『……んんんっ』


 一室に囚われた二人の姿。