――――――…………
――――……
体育祭終了後に用意したお祭りも、大きな花火が上がって無事終わりを告げ。
『あおい』
わたしは、二人きりの時にしか呼んでくれない名前呼びに、つい嬉しくなったんだけど。振り返ってようやく、それに気付いたんだ。
『少し、距離を置いて欲しい』
隠したのにはわけが……って、そんな大層なものじゃないか。
『……それは、物理的に? それとも気持ち的に?』
全身の血の気が下がった割には、酷く冷静な言葉が出てきた。と言っても、正直言ってこのときは立っているのがやっとで、今にも泣き出しそうだった。その……本当の意味を知るのが、すごく怖くて。
『はあ? なんで気持ちに距離置かないといけないの。あんた、オレが嫌いなわけ?』
でもまあ、そんなもの一瞬で吹き飛んでいきましたけどね。
『えっ……? え??』
『どうなの』
『嫌いなわけないでしょう!?』
『じゃあ馬鹿な質問してくんな』
『いっ、……今のは完全に言い方が悪かったと思うの』
『だったらなんて言ったらよかったのさ』
熟考時間はコンマ5秒。
『えっと、半径2メートル以内に侵入してこないで……とか?』
『……なんか数字がリアルなんだけど』
『ち、違う……?』
『いろいろ違うし、だったらオレはいつあんたとキスすればいいの』
『それはわたしが知りたいよ!?』
『そんなのオレだって知りたいよ』
いつもより少しだけ声を張った彼に目を丸くしていると、はっとしてすぐばつが悪そうに視線を外した。
『ひとまず集合しよう』
取り敢えずヒナタくんは、一旦言うことをまとめたいのかそう言うけれど、わたしはその場から一歩も動かなかった。
『ダメ。今言って』
『ただでさえ遅れてるんだから』
『だったら今言わなくてよかったんじゃないの。先に話を出したのはヒナタくんの方だよ』
『そう……だけど、今は仕事の方が優先』
『何回も同じこと言わせないで』
『……ごめん』
【そのときは容赦なく聞くから】
確かにあのとき、わたしはそう言った。だから、そっと目を閉じた彼の頭の中にも、わたしのその言葉がちらついたのだろう。……このときまでは、そう思っていた。
『……からだよ』
『え?』
『だ、……だから』
どこか狼狽えた様子で静かに距離を縮めてきた彼に、わたしは自分の目を疑った。
『あ。……あおいが可愛いことすると、人目も憚らず触れたくてたまらなくなるので、少し距離をとっていただけると非常に助かります』
『……!?!?』
――――……
体育祭終了後に用意したお祭りも、大きな花火が上がって無事終わりを告げ。
『あおい』
わたしは、二人きりの時にしか呼んでくれない名前呼びに、つい嬉しくなったんだけど。振り返ってようやく、それに気付いたんだ。
『少し、距離を置いて欲しい』
隠したのにはわけが……って、そんな大層なものじゃないか。
『……それは、物理的に? それとも気持ち的に?』
全身の血の気が下がった割には、酷く冷静な言葉が出てきた。と言っても、正直言ってこのときは立っているのがやっとで、今にも泣き出しそうだった。その……本当の意味を知るのが、すごく怖くて。
『はあ? なんで気持ちに距離置かないといけないの。あんた、オレが嫌いなわけ?』
でもまあ、そんなもの一瞬で吹き飛んでいきましたけどね。
『えっ……? え??』
『どうなの』
『嫌いなわけないでしょう!?』
『じゃあ馬鹿な質問してくんな』
『いっ、……今のは完全に言い方が悪かったと思うの』
『だったらなんて言ったらよかったのさ』
熟考時間はコンマ5秒。
『えっと、半径2メートル以内に侵入してこないで……とか?』
『……なんか数字がリアルなんだけど』
『ち、違う……?』
『いろいろ違うし、だったらオレはいつあんたとキスすればいいの』
『それはわたしが知りたいよ!?』
『そんなのオレだって知りたいよ』
いつもより少しだけ声を張った彼に目を丸くしていると、はっとしてすぐばつが悪そうに視線を外した。
『ひとまず集合しよう』
取り敢えずヒナタくんは、一旦言うことをまとめたいのかそう言うけれど、わたしはその場から一歩も動かなかった。
『ダメ。今言って』
『ただでさえ遅れてるんだから』
『だったら今言わなくてよかったんじゃないの。先に話を出したのはヒナタくんの方だよ』
『そう……だけど、今は仕事の方が優先』
『何回も同じこと言わせないで』
『……ごめん』
【そのときは容赦なく聞くから】
確かにあのとき、わたしはそう言った。だから、そっと目を閉じた彼の頭の中にも、わたしのその言葉がちらついたのだろう。……このときまでは、そう思っていた。
『……からだよ』
『え?』
『だ、……だから』
どこか狼狽えた様子で静かに距離を縮めてきた彼に、わたしは自分の目を疑った。
『あ。……あおいが可愛いことすると、人目も憚らず触れたくてたまらなくなるので、少し距離をとっていただけると非常に助かります』
『……!?!?』



