すべての花へそして君へ②


 全然一つではなかったことに、また二人して笑い合った。……うむ。聞いて幾分かスッキリしたぞ。


「あははっ。……ね、ねえあっちゃん? それってあいつに話し、ぶはっ」


 全然笑いが止まらないキサちゃんはというと、本気で涙を浮かべております。お腹も抱えております。酸欠で死にそうになってます。


「確かに、知りたかったけどそれはさすがに聞けなかった」


 少し落ち着いた頃にそうこぼすと、「そこの良識あってよかったわ」と笑っている最中にぼそっと呟いたのが聞こえた。


「あははっ、……あー。あっちゃん? 怒ってる……?」

「褒められる部分があってよかったと、しみじみしてた」

「(……どちらかというと貶したんだけどな……)」


 そしてようやくキサちゃんの笑いも落ち着き、ふっと表情が柔らかくなる。


「もしかしたらあいつも似たようなこと考えてんのかもね」

「え?」

「まさか、あたしがビデオレターで言ったこと気にしてるわけないだろうし!」

「………………」

「えっ。何その間。……もしかしてあいつ、本気で気に……あ。あっちゃんもしかして、あいつの大事なもん使い物にならないようにしたんじゃ」

「どうしてそうなる!?」


 そんなことを思われていたとは心外。ぷうっとほっぺたを膨らませると、目の前のお人は「ごめんごめん」とは言うもののどこか楽しげだ。


「じゃあ、何か他に思いつく理由ある?」


 やっぱりわたしが拒否をした、と思われているらしい。確かに、今までのことを考えると、そうとられてしまうのも無理ないか。


「キサちゃんの言ったとおり、ヒナタくんも同じようなこと考えてるのかもしれない」

「あたしのは半分……九割冗談よ」

「ほぼ!? い、いや、だけどね? 時々思うことがあるんだ。ヒナタくんとわたし、たまに似てるなって」

「……まあ、そう思うこともないけど」

「それにね、大事にしたいって。言ってくれたから」

「……そっか」


 決して、それがゴールじゃない。スタートでもない。相手との繋がりを求めるのは、きっと必然的なこと。お互いの気持ちを共有して安心感を求めてる。……けど、方法はそれだけじゃないから。


「だからね? 他の人がどうだからって、別に焦らなくていいと思うんだ。わたしたちはわたしたちらしく、って決めたから」

「なーんだ。そこは話してたのね。余計なお世話だったか」

「あはは。……ごめんね?」


 心配……かけてごめんね。気にかけてくれてありがとう。
 本当に、ありがとう。キサちゃん。


「全然? じゃあ悩んでることは特になしってことだ」

「さっきの一つ以外は」

「あっちゃん笑わせないで」

「あれは本気の悩みだったんだよ……!」

「ああそっかそっかー。それは聞けてよかったねー。あたしも一安心だわー」

「もうキサちゃんってば!」


 だから――……隠して、ごめんなさい。