すべての花へそして君へ②

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 先程少し見えていた晴れ間も、次第にどんよりとした雲に覆われてしまい、今にもまた雨が降り出しそうな天気になっていた。


「そういえばキサちゃん、この後のご予定は?」

「ディナーのお誘いを受けてるの」

「ディっ!? お、大人だ……」

「ふっふっふ。年上男子ならではね。あっちゃんも大人な女になればすぐよ」

「まだまだ階段は遠いなあ」


 わたしたちはというと、まだ喫茶店で話をしていました。男が多いだけあって、こうして女の子同士で話せるのはとっても貴重なのである。


「それでさ、結局のところあっちゃんのファーストキスの相手は今の旦那だったんだよね?」

「旦那て……」

「いやー確かにね、あの二人似てたのよそりゃもう。陽菜は活発だし日向は大人しいしで余計に。名前も名前なだけに本気で女だと思われてたこともあったらしいし」

「……あ。でもヒナタくん、全然名前教えてくれなかったんだよ」

「はあーっ。色気付いちゃってまったく。子どもは子どもらしく素直に馬鹿してればいいってのに」


 き、きっと彼も、あなたにだけは言われたくないと思うよ……?


「でも、わたしはその不器用なところも愛しいなって思うよ」

「あれは不器用の域を遙かに超えてるから。あいつはただの捻くれ者よ」

「キク先生もちょっと不器用だよね。最近は素直だけど」

「そこも菊ちゃんの好きなところだからいいのー」

「惚気だ」

「あっちゃんもね」


 二人で笑い合いながら、ふと壁掛け時計に視線をやる。どうやらここにいられるのももうちょっとみたいだ。


「時間?」

「もうちょっとしたらね」

「そっかー残念。にしてもちょっと早くない?」

「今日は夕ご飯担当なのです」


 準備して仕込みもしてあるから、今日はゆっくり過ごせた方だ。是非またやろう、女子会。
 頭の中で、簡単おいしいチーズin煮込みハンバーグを作っていると、「あっちゃん大丈夫?」と心配されてしまった。てっきり、シミュレーション中の顔が放送できないほど酷かったのかと思ったけれど、どうやらそうではないらしい。


「さっきも言ったけど、あいつ本当に不器用の域超えてるからさ」


「何かあったら、あたしにできることがあれば何でも協力するから、遠慮とか絶対しないでね」と、彼女はなぜだか泣きそうな顔。


「……ひとつ、聞いてみてもいい?」

「どんとこい!」


 だから、本当に遠慮せずに単刀直入に聞いてみることにしたのだ。


「その、普通こういうのって結婚してからするもんじゃないの……?」

「あっちゃんは多分、時代間違えて生まれてきたんだと思うわ。最近の子は高校とか、早くて中学よ」

「で、でも。付き合った、から、じゃあ……って。は、早くない?」

「愛に時間は関係ないよ」

「……痛いらしいというお話を聞いておりますが」

「相手の力量次第」

「き、キサちゃんは」

「ノーコメント」