「それってどういうこと?」
「変態で警察さんのお世話になるから、どんどん先送りになるなーってこと」
「え!? お世話になる前提なの!?」
「オレ以外に発情したらそうなるだろうね」
「はっ、はつ……!?」
「したでしょ? ついさっき」
それはわざとか。さっきそっぽを向いていたのもそういうことだったのか。
浴衣はだけさせて。首筋と鎖骨見せるように斜め上向いて……。見せ所よくわかってるね!? モデルさんか何かですかあなたは!!
「それで? そろそろさっきまでの続き、してもいい?」
立て続けの攻めに、返事すらできないまま、わたしは生唾を飲み込んだ。
【生唾を飲み込む】
意味:目の前にあるものが欲しくてたまらなくなる。
(○×☆?△!?)
発狂しそうになった。
「緊張してる?」
「し、しないわけない」
「まあそうだよね。オレもだし」
「ほ、ほんとかいな……」
けれど意味を理解して叫び出す暇もなく、起き上がった彼に横にされながら、器用にホックまで外されてしまった。別に抵抗も拒否もするつもりはないのだけれど、急に解放された胸元が全くと言っていいほど落ち着かない。
「ちょっと、ガン見できないんだけど」
「し、しなくていい」
「やだ。無理。見たい」
「ぷっ、プールで思う存分したでしょ……?」
「水着と下着は違う」
こいつ……代わりに水着見るって言ったくせに。結局下着も見たいんかい。
もう訳がわからず。主に恥ずかしさで体も思うように動かせず。強張ったわたしの腕を、彼はふっと小さく笑みを浮かべながらやさしく取る。
「先に言っとくけど、最後まではしないからね」
「……? え?」
「うん、しない。絶対しない。……なに? 期待した?」
「え……っと。な、何か理由がお有りで……?」
「ゴム持ってきてないから」
「へ?」
思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。組み敷いてきている彼は、そんなわたしに居心地悪そうに少し恥ずかしそうに照れながら、視線をゆっくりと外す。
「……がっついてるって、思われたくないんだよ」
『――それからね、あっちゃん。十分わかってると思うけど、ヒナタはクールぶってるお子ちゃまだからね。甘やかし過ぎないように。あと、あっちゃんが可愛いことしたらすぐがっつくから。はじめっから犯されそうになったら急所蹴ってでも逃げるんだよ? じゃないとどんどんエスカレ――』
――ブチンッ。
未だ流れていた映像をブツリと切り、黙々とその小さな地球儀みたいなものをいじった彼は、何事もなかったかのように再び、わたしを組み敷いてくる。
「がっついてると思われたくない」
「がっついてるよ」
「そう思われてたのもちょっとショックだけど……違うんだって」
「だいぶ説得力欠けたよ」
「ここに来たのは、それが目的じゃないんだって」
「変態で警察さんのお世話になるから、どんどん先送りになるなーってこと」
「え!? お世話になる前提なの!?」
「オレ以外に発情したらそうなるだろうね」
「はっ、はつ……!?」
「したでしょ? ついさっき」
それはわざとか。さっきそっぽを向いていたのもそういうことだったのか。
浴衣はだけさせて。首筋と鎖骨見せるように斜め上向いて……。見せ所よくわかってるね!? モデルさんか何かですかあなたは!!
「それで? そろそろさっきまでの続き、してもいい?」
立て続けの攻めに、返事すらできないまま、わたしは生唾を飲み込んだ。
【生唾を飲み込む】
意味:目の前にあるものが欲しくてたまらなくなる。
(○×☆?△!?)
発狂しそうになった。
「緊張してる?」
「し、しないわけない」
「まあそうだよね。オレもだし」
「ほ、ほんとかいな……」
けれど意味を理解して叫び出す暇もなく、起き上がった彼に横にされながら、器用にホックまで外されてしまった。別に抵抗も拒否もするつもりはないのだけれど、急に解放された胸元が全くと言っていいほど落ち着かない。
「ちょっと、ガン見できないんだけど」
「し、しなくていい」
「やだ。無理。見たい」
「ぷっ、プールで思う存分したでしょ……?」
「水着と下着は違う」
こいつ……代わりに水着見るって言ったくせに。結局下着も見たいんかい。
もう訳がわからず。主に恥ずかしさで体も思うように動かせず。強張ったわたしの腕を、彼はふっと小さく笑みを浮かべながらやさしく取る。
「先に言っとくけど、最後まではしないからね」
「……? え?」
「うん、しない。絶対しない。……なに? 期待した?」
「え……っと。な、何か理由がお有りで……?」
「ゴム持ってきてないから」
「へ?」
思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。組み敷いてきている彼は、そんなわたしに居心地悪そうに少し恥ずかしそうに照れながら、視線をゆっくりと外す。
「……がっついてるって、思われたくないんだよ」
『――それからね、あっちゃん。十分わかってると思うけど、ヒナタはクールぶってるお子ちゃまだからね。甘やかし過ぎないように。あと、あっちゃんが可愛いことしたらすぐがっつくから。はじめっから犯されそうになったら急所蹴ってでも逃げるんだよ? じゃないとどんどんエスカレ――』
――ブチンッ。
未だ流れていた映像をブツリと切り、黙々とその小さな地球儀みたいなものをいじった彼は、何事もなかったかのように再び、わたしを組み敷いてくる。
「がっついてると思われたくない」
「がっついてるよ」
「そう思われてたのもちょっとショックだけど……違うんだって」
「だいぶ説得力欠けたよ」
「ここに来たのは、それが目的じゃないんだって」



