そのあとの海水浴は、去年と同様ビーチバレー大会が開かれました。


『どぉおおりゃっ!!!!』


 少し変更もあったけれど、チームは去年とほぼ同じ。
 ヒナタくんは率先して撮影係を志望しカナデくんと交代。シントは、どうしてもわたしとアキラくんと一緒のチームがいいって言うのでこちらに加入。美作家と朝倉夫婦(そのうち)は点付けをしてくれました。
 こっちのチームはシントもいたし、去年早々に戦線離脱してしまったチカくんもアキラくんも体調万全で挑んでいましたから――


『ふっ。まあ30%の力ならこのくらいか』

『いや葵、ビーチボール砂に埋もれちゃってるから』


 制限がなくなった分、力加減がちょっとまだ不十分ですが(※嘘です。ふざけました)、わたくしあおいも、思う存分やらせていただきまして。
 向こうは早々に白旗。去年と同様罰ゲームで洞穴へ行ってもらいました。


『……あれ。もしかしてヒナタくん、これ行くのが嫌だったとか?』

『当たり前じゃん。嫌に決まってるじゃん。負けるに決まってるじゃん』


 じゃん、の三連発。どうやらやはり、それが理由だったみたいです。
 ……ああ。ちなみにアイくんとレンくんとカオルくんは、三人で初めての海を楽しんだそうです。さすがに、アイくんが向こうのチームにいたら、ちょっとどうなるかわからな――


『いや、アイいても変わらないと思うよ。喜んであのスパイクは受けるだろうけど』


 ……とまあそんな感じで。今回は特にMVPとかは決めなかったので、そのあとも海水浴を思い切り楽しみました。
 それから帰って、恒例のバーベキューをして大いにはしゃいだあと。現在、昨日の“アホな戦いの敗者”の皆様方と一緒に、昨日とはまた違う出店を回っています。


「カエデさん。ほんと、ご苦労様です」

「な。結構引っ張りだこだよな、俺」

「楓、りんごアメ食べたい」

「あー……。……アオイちゃん?」

「しょうがないですね。許しましょう」


 お腹いっぱい食べたというのに、どうして甘いものはまだ入るんだろう。
『デザートは別腹』って言うけど、実は本当にもう一つ胃ができたみたいに、胃の中の食べ物がデザートを見て動いて隙間を作っちゃう……って、これ本当の話なんです。赤ペンチェック。
 まあ、その隙間に甘いものを入れてしまって、おデブちゃんの道まっしぐら……なんだけど。


「一番デカいのがいい」

「小さいのにしなさい」

「お前ら親子みたいだな……」


 アキラくんの場合は、常に甘いもの専用の胃袋があるんじゃないだろうか。ちゃんとしたご飯、食べてるかほんと心配になる。