すべての花へそして君へ②




 海風が、撫でるようにやさしく吹いていく。

 夏の風が、髪を撫でる。

 心を撫でてくる。


 夏の日差しが。じりじりと肌を焼く。

 じりじりと胸の奥を焦がしてくる。





 暑い暑い夏の日差しの下。

 僅かに揺れて、大きく広がったのは、誰の小さな細波か――――。