「……およ? キサちゃんキサちゃん。男共の元気がないようです、どーぞ」

「それは、あっちゃんと一緒に来られなかったからだよー、どーぞ?」

「ええ!?」

「ついでに言うと、日向と楽しそうにしてたからだよー。どーぞー」

「うそ! そんなに? いや、でもアイくんも一緒だったし……」

「あっちゃん。男の心ってね、すっごい繊細なんだよ」

「え……。う、うん。そうだね……」


 でも、楽しそうだったって……。囚われた宇宙人になったあとは改札口で突き飛ばされただけなんだけど。


「それの何がマズかったんだ……」

「ニヤニヤしてたからじゃない?」

「え。……それじゃあ完全にドMのド変態じゃないか」

「え。わかってたことじゃん」

「そうだけどね!?」


 よくわからない。繊細すぎるぜ男心。でもまあ、取り敢えずは!


「熱海の思い出いっぱい作ろうね!」


 暗い顔なんて勿体ないっ! たくさん笑って、楽しい思い出をいっぱい作らないとね。
 そんなどんより彼らに元気を注入っ! にっこり笑顔を送っていたら。


「じゃあ俺は、葵ちゃんの着替え手伝ってあげるね」


 それに食いつく魔王様。


「どーぞどーぞ? あの世を見たいのであれば」

「えーっと。や、やめておこう、かな……?」


 指をバキバキと鳴らしたら、後ずさりされてしまった。
 今年ももちろんこの人も参戦! いつの間にやらバイトもしていたらしいトーマさんも、調整して来てくれました。というか、もう全員集合だけどね。


「葵ちゃんの対応が前よりもドライ……」


 あれ。笑顔になったらいつもみんな、一気に変に元気になるのに。今回は機嫌が元通りにならない……。男共はどうやら、かなりテンション低めのようです、どうぞ。