――――――…………
――――……
それからしばらく、あまりにも温かい心地の良さにうとうとしていたら、むぎゅっと可愛く抱きつかれた。
「……っと、ごめん。寝ちゃいそうだった」
「……起こしてごめん」
お腹にまわってきていた腕は、多分気遣っているんだろう。いつもより、ゆるくてやさしい。
「……もうお腹大丈夫になったよ?」
だから、もっと力入れていいよ?
わかりやすく隠した言葉に、彼はいつも通りの力を込めた。
「……邪魔して、ごめん」
「ううん? 折角いてくれるのに、寝ちゃうのはもったいなかったし」
するとまた腕の力が加わって、ピッタリと背中が彼にくっついた。
「でも、……どうしたの?」
「……ちょっと、寂しくなった」
「え?」
「そう思ったら抱きつきたくなった」
「ひなたくん……?」
「お腹摩るとかじゃない」
オレが、ただ引っ付きたかったんだ。
そうこぼす彼の腕をぽんぽん。そっと、やさしく撫でてあげる。……彼を寂しがらせてしまったのは、これで三度目だな。
「わたしがこっち向いちゃったから寂しかったのかな」
「ん」
「わたしはね、こっち向いちゃってね、怖くなっちゃった」
「ん?」
肩口からそっと覗き込んできているような気配。そちらへ向くとやっぱり彼がいて、……苦笑い。
「自分から向いちゃったんだけどね。するんじゃなかったなーって思ってたの」
「……?」
「ヒナタくんがどこにもいなくて、声が聞こえなくて、こんな風に触れられなくて」
「……ん」
「何も言わなくなっちゃったから、怒っちゃったかなって、そう思ったの」
「……別に怒ってないよ。呆れたけど」
「おう……。そうであったか」
「だって、対決ばっかじゃん」
「……? したくない? してみたくない?」
「したくない。してみたくない」
バッサリ切られた▼
「……オレとじゃできないこと、期待したじゃん」
「……え?」
ハッキリそう言われてしょんぼりしていたというのに、わたしなんかよりもよっぽど彼の方が落ち込んでいるような、寂しそうな声だ。
「……えっと。た、たとえば……?」
「今、……やってる」
「え?」
――――……
それからしばらく、あまりにも温かい心地の良さにうとうとしていたら、むぎゅっと可愛く抱きつかれた。
「……っと、ごめん。寝ちゃいそうだった」
「……起こしてごめん」
お腹にまわってきていた腕は、多分気遣っているんだろう。いつもより、ゆるくてやさしい。
「……もうお腹大丈夫になったよ?」
だから、もっと力入れていいよ?
わかりやすく隠した言葉に、彼はいつも通りの力を込めた。
「……邪魔して、ごめん」
「ううん? 折角いてくれるのに、寝ちゃうのはもったいなかったし」
するとまた腕の力が加わって、ピッタリと背中が彼にくっついた。
「でも、……どうしたの?」
「……ちょっと、寂しくなった」
「え?」
「そう思ったら抱きつきたくなった」
「ひなたくん……?」
「お腹摩るとかじゃない」
オレが、ただ引っ付きたかったんだ。
そうこぼす彼の腕をぽんぽん。そっと、やさしく撫でてあげる。……彼を寂しがらせてしまったのは、これで三度目だな。
「わたしがこっち向いちゃったから寂しかったのかな」
「ん」
「わたしはね、こっち向いちゃってね、怖くなっちゃった」
「ん?」
肩口からそっと覗き込んできているような気配。そちらへ向くとやっぱり彼がいて、……苦笑い。
「自分から向いちゃったんだけどね。するんじゃなかったなーって思ってたの」
「……?」
「ヒナタくんがどこにもいなくて、声が聞こえなくて、こんな風に触れられなくて」
「……ん」
「何も言わなくなっちゃったから、怒っちゃったかなって、そう思ったの」
「……別に怒ってないよ。呆れたけど」
「おう……。そうであったか」
「だって、対決ばっかじゃん」
「……? したくない? してみたくない?」
「したくない。してみたくない」
バッサリ切られた▼
「……オレとじゃできないこと、期待したじゃん」
「……え?」
ハッキリそう言われてしょんぼりしていたというのに、わたしなんかよりもよっぽど彼の方が落ち込んでいるような、寂しそうな声だ。
「……えっと。た、たとえば……?」
「今、……やってる」
「え?」



