「はーい点呼取りまーす! 1番あおい! いっまーす」
顔文字で言うならば\(^O^)/こんな感じのテンションで。なくてはならない大事な点呼を、わたくしあおいが率先して行います。
「はーい! 2番しんと! いまーす!」
「おっ! さっすがシント! 2番に食い込んでくるとは!」
同じように両手を広げて答えてくれたのは、わたしのおバカがどうやら移ってしまったらしい皇の次期当主様。もしかしたら忙しくて来られないかも知れないけど、やっぱり来て欲しくもあったから、思い切って声をかけてみたのだ。
まあ実際忙しかったみたいだけど、それでもなんとかこうして来てくれたからすごく嬉しいっ! ……電話は毎日しつこいほど掛かってくるけど。
「でしょ? ……ねえ葵。日向くんノリ悪いでしょ? 俺にしとけば――」
「え? ヒナタくん結構ノリいいよ?」
「3番ひなた。いませーん」
「ほらね?」
「そ、そうだね……」
さすがに次期当主様が『お友達と遊びに行く!』と、そんな軽々しい行動はもうできない。そんなシントは、ただでさえニュースになるくらい有名人なので(※行方不明のせいで)、暑そうだけど帽子にサングラスを掛け、端から見たら不審者にも間違えられそうな恰好をしていた。なんで来られたのかって言ったら……。
『葵との婚姻を進めるには、まずお互いを知ることが必要だから行ってくる!』
とかなんとか言って丸め込んだみたいだけど。
お互いさ、もう知る必要がないくらいお互いのことよくわかってると思うんだよね、うん。それで許可しちゃう皇は大丈夫か? とも思うよね。



