「しょうがねーから、使われてやるよ」
「邪魔したんで、それくらいしてください」
「止めてやったんだろうが」
「さあ。何のことだか」
すっかり元の調子のヒナタ。一瞬呆れはしたものの、安心したのは事実。
「……それじゃ、お願いします。カエデさん」
「へいへい。厨房の奴らにキレられそうだけどな」
「それについては、オレがただ単に食べたくなっただけなんで」
「ま。よく頑張った功労者のためなら、これくらいなんてことねー……よっ!」
わしゃわしゃと、もう見られないであろう頭を撫でて。最後にもう一発激励を込めて背中を打っ叩いた俺は、頭に二つのものを思い浮かべながら、執事モードで皇を後にした。



