『誰に言ってんだへんたーい!!!!』って、心の中で叫びながら高速スピードでお出かけ服にチェンジ。……わかってたけど。やっぱりわたし、変態だ。わかってたけど。
いいのか? 悪いのか? いやいやヒナタくんに変態だと思われたくはな――
(いや。思ってたね、そういえば……)
それは……いいと思っていいんだろうか。ものすごく複雑ではあるけれど。……でも。嫌じゃなかったのは本当だ。それに、わ。わたしも触りたかったから抱きついたんだもん。
「……ひなたくんの。えっち」
準備万端になってしまったので、寝ている彼にそう文句を垂れることに。
「お胸さんの上で爆睡ですか。気持ちよさそうに寝ちゃって」
ほっぺをツンツンと突いてみるけれど、一瞬眉を顰めただけでそれもすぐに戻ってしまった。
「……。ちゅー。してほしいなー」
って、また勝手にそんなことを言った口を慌てて塞いだ。さっきも言っちゃったしっ。な、なんてわたしはふしだらなんだ。
「……んん」
「……! ……ひなたくん?」
起きたかな? と思って声をかけるけれど、一瞬眉を寄せただけ。それがまたかっこいいのなんのって。……ふふ。どんな夢を見てるんだか。
「……。いってきます。ひなたくん」
そんな、気持ちのよさそうに眠っている彼の頬へ。そっと口付けを落とす。
「ん……」
「――!?」
わたしってば、また……な、何を勝手に。
流石に起きちゃったかなって。そう思ったけど。
「……ぁぉぃ……」
(……うっわっ)
小っちゃくかわいく寝言で呼んでくれるとかっ。……は、鼻血が出るっ。
そんなかわいい彼に我慢できず。もう一回、ほっぺにちゅーをして。
「いっ、いってきますっ。……すぐ。本当にすぐ、帰ってくるからねっ」
ハンドバッグとティッシュ箱を引っ掴み、かわいい彼と溢れそうな欲望から逃げるように。わたしは、スヤスヤと彼が眠る部屋を後にしたのだった。
「……」
だから、彼女が知ることはなかった。
「……あ、おい……」
自分の名前を呼ぶ彼が、



