「……もしかして。あおば、さん……?」
部屋に来てくれた三人の中に、昔の面影が十分残っている人がいた。
「……! ええ。あおいちゃんっ」
「――!! っ、あおばさんっ!」
ふわっと、やさしい笑顔の彼女に、思わず抱きついてしまった。
言いたかったんだ。ずっと……。彼女にも。
「あおばさん。いろいろ。ごめんなさい」
「……? あおいちゃん?」
「あの時。わた、わたし。勘違い。して」
「……ううん。わたしも。ごめんね」
彼から聞いていたんだ。彼女は、道明寺の家政婦をしていたんだと。
「わたしのこと。見ていてくれて。ありがと……」
「……! ええ。元気になれて。よかったわ」
抱き合って、二人でほんの少し涙を流した。よかった。本当に……よかった。
「遅くにごめんなさいね、あおいちゃん。明日も早いんだけれど」
「あんたに朗報だよ」
「え?」
「そうなの。あおいちゃんっ」
そして、喜びを噛み締めていたわたしの耳に届いたのは、囚われていたわたしの罪を、軽くしてくれるものだった。



