未だ涙を流している彼女の頭に。気付かれないように、最後に一度キスを落とす。
「葵。お前は、最初で最後の、最高すぎるご主人様だったよ」
「……!!!!」
弾かれたようにこちらを見上げた彼女の目元には、溢れんばかりに涙がいっぱい溜まっていて。
「……ば~か。なんで……。まだ泣くの」
「うっ……。うれしいっ」
なんだか俺にまで、彼女の涙が移ってしまったようで。
「おかえり。あおい。ほんと。ずっと。だいすきだよ」
「……っ。ただいまっ。しんとっ。わたしもっ。ずっとずっと。だいすきだよっ」
しかも葵が抱きついてくるもんだから。二人して、抱き合いながら涙を流した。
お前の執事でよかった。お前を好きで、……本当によかった。
お前と出会えて。お前の執事になれて。そして今、ようやくお前の友になれて。
「だいすきっ。あおいっ!」
俺は、最高すぎる幸せをもらったよ。



