「……聞けなかった」
「何が? 今聞いてよ」
「ううん。聞けた」
「いや、どっちなの」
聞きたいことは、さっき教えてくれた。聞いたらちゃんと、教えてくれた。
「素っ気なかったでしょう?」
「え? いや、あれは素っ気なくしたわけじゃ……」
「うん。わかってる。聞けたから、今はちゃんとわかってるよ」
あの時。聞くのをわたしは躊躇った。大抵のことは、知りたいと思ったら聞けるのに。
「オレが、そんな態度してたからでしょ」
「でもそれはわたしの勘違いで……」
「聞きづらいってこと、あるじゃん?」
「え? う、うん?」
「え。無いの?」
「あ、あっても、大抵突っ走るタチなので……」
「でしょうね」
でも、それでも聞けなかった。ヒナタくんにはそれを躊躇った。というか、ヒナタくんには前から結構あるかも知れない。
けど今は、『ダメだ』って思わなかったら多分、そのままにしてた。
「聞いたら、どうかなると思った」
「え?」
「さっきも言ったよね。『怖かった』って、へますることが」
「……うん」
「どうしてだと思う?」
「……ヒナタくんは、わかるの……?」
案の定「そうだねー」と返ってくる。
でも、わたしはその『どうして』の部分がわからない。わからないから、それを教えてもらおうと今ヒナタくんに聞いているんだ。
「何考えてんだろうなって、ずっと思ってたんだけど」
「へ?」
「それで、何か困ってるんならそれを聞いて、オレが答えられることなら答えてあげようって思ってたんだけど」
「……へ?」
「その疑問に至っては、オレが聞いておいてよかったって。ちょっと思った」
「え」
答えじゃない。まさかの、質問に対して感想、だと……?
聞いたのはわたしだけど、まさかその感想が答えとか、言わない……よね?
「何が? 今聞いてよ」
「ううん。聞けた」
「いや、どっちなの」
聞きたいことは、さっき教えてくれた。聞いたらちゃんと、教えてくれた。
「素っ気なかったでしょう?」
「え? いや、あれは素っ気なくしたわけじゃ……」
「うん。わかってる。聞けたから、今はちゃんとわかってるよ」
あの時。聞くのをわたしは躊躇った。大抵のことは、知りたいと思ったら聞けるのに。
「オレが、そんな態度してたからでしょ」
「でもそれはわたしの勘違いで……」
「聞きづらいってこと、あるじゃん?」
「え? う、うん?」
「え。無いの?」
「あ、あっても、大抵突っ走るタチなので……」
「でしょうね」
でも、それでも聞けなかった。ヒナタくんにはそれを躊躇った。というか、ヒナタくんには前から結構あるかも知れない。
けど今は、『ダメだ』って思わなかったら多分、そのままにしてた。
「聞いたら、どうかなると思った」
「え?」
「さっきも言ったよね。『怖かった』って、へますることが」
「……うん」
「どうしてだと思う?」
「……ヒナタくんは、わかるの……?」
案の定「そうだねー」と返ってくる。
でも、わたしはその『どうして』の部分がわからない。わからないから、それを教えてもらおうと今ヒナタくんに聞いているんだ。
「何考えてんだろうなって、ずっと思ってたんだけど」
「へ?」
「それで、何か困ってるんならそれを聞いて、オレが答えられることなら答えてあげようって思ってたんだけど」
「……へ?」
「その疑問に至っては、オレが聞いておいてよかったって。ちょっと思った」
「え」
答えじゃない。まさかの、質問に対して感想、だと……?
聞いたのはわたしだけど、まさかその感想が答えとか、言わない……よね?



