すべての花へそして君へ①


「ユズってさ、性格悪い?」

「どういう意味だ」


 え。そういう風にあたしは見られていたのか……? 好きな人の恋を応援しているあたしは……性格が悪いのか??


「性格。……悪かったらさ、もうちょっとだけ、起きててあげてくれない?」

「え? う、うん。目、冴えちゃったから起きてるけど……」


 その言葉の意味に、すぐはわからなかった。


「……うんっ。絶対起きてるよ!」


 そう言うと彼は、ほっと小さく息をついて小さく笑っていた。


「あと、オレがこんな奴だってこと、あいつには言わないでね。オレからちゃんと言うんだから」

「あいつって誰かな~?」


 そう言ったら、ものすごい睨まれてしまった。おう。こっちの人の方が何倍も恐ろしい。
 でも、それもすぐにふっと解かれ、彼はまた小さく笑ったあと、会場を出て行った。「ありがとう。よろしくね」と、言葉を残して。