「ユズってさ、性格悪い?」
「どういう意味だ」
え。そういう風にあたしは見られていたのか……? 好きな人の恋を応援しているあたしは……性格が悪いのか??
「性格。……悪かったらさ、もうちょっとだけ、起きててあげてくれない?」
「え? う、うん。目、冴えちゃったから起きてるけど……」
その言葉の意味に、すぐはわからなかった。
「……うんっ。絶対起きてるよ!」
そう言うと彼は、ほっと小さく息をついて小さく笑っていた。
「あと、オレがこんな奴だってこと、あいつには言わないでね。オレからちゃんと言うんだから」
「あいつって誰かな~?」
そう言ったら、ものすごい睨まれてしまった。おう。こっちの人の方が何倍も恐ろしい。
でも、それもすぐにふっと解かれ、彼はまた小さく笑ったあと、会場を出て行った。「ありがとう。よろしくね」と、言葉を残して。



