「カエデさん。……お話、いいですか」
「……ダメだ」
「カエデさん!」
「俺とお前の名前が似過ぎてるから、作者からあんまり一緒にいないで欲しいって伝達が来てる。名前よく打ち間違えるからって」
「え……。そんな理由で断られるんですか」
「冗談だ。……でもお前、それはアオイちゃん奪還前にシオンさんたちも交えて話しただろうが」
「……すみません。何度謝っても、気が済まなくて」
「……はあ。じゃあ、このタバコがなくなるまでな」
常備しているのか。カエデさんは執事服の中からタバコを出して小さく揺する。
「取り敢えず今は俺もここにいなくても大丈夫だろう。……駐車場、行くか」
「……はい。すみませんっ」
こんな俺の頭にほんの一瞬乗った大きな手の平が、すごく大きくて頼もしくて。……涙が、出そうになった。
それから、移動してきた俺は、誰かの車の横に膝を抱えて座った。
「は? ……おい、座るならベンチに」
「それだったらカエデさんがタバコが吸えないんじゃないですか。俺は、これで。……すみません」



