「……そもそもなんですけどお」
ちょっと落ち着いた頃。どうやら違うことで気になってることがあるらしいかおるが、そう切り出した。
「九条さんは彼女の胸、触ったことないんですか?」
「かおる!?」
「……」
「ひなクン!?!?」
無言って! ……無言てえ! それもう肯定してるようなものだからあ!!!!
「あるんじゃないですかあ! あんなに怒るからまだ触ってないのかと思――」
「あんなの触った内に入らないしっ!」
「あんなのとは?」
「え」
「教えてくださいよう、九条さあん」
聞きたくない。聞きたくないはずなのに……ちょっと聞きたい。
「……心拍数、図った」
「はい?」
「へ?」
「……のと」
「「……??」」
「……何回か顔、埋めたくらいだし」
「ひなクン!? 十分だからっ!! 十分すぎるから!!!!」
「一番いい楽しみ方してらっしゃったんですねえ……」
これ以上ないほどの楽しみ方を、彼はきっと、あおいチャンと両想いになる前からしてたとおれは思いました。(まーる!)



