「これからは、あおいがしたいようにしたらいい」
「わたしたちはそれを応援してるから」
「お父さん、お母さん……」
未来がない時の選択だって、すごく苦しかった。けれど、これからっていう長い未来への選択だって、たくさんたくさん悩まなければいけなくて、やっぱりしんどいこともあったりして……。
家族が一気に増えて、本当に嬉しかった。でも、人は誰しも、やっぱりどこかでは選択をしなければならないんだ。こういう選択を強いられるのは難しいけれど。それでも、自分なりに出した答えだから。
「……うんっ。わたし、これからもっともっと幸せになる! それで今は……大忙しだっ」
笑顔で答えながら、再びたどり着いた大きな部屋の扉を開けた。
――パンっ! パン!! パンッッ!!!!
すると、大きな歓迎の音とともに、大勢の大切な人たちがわたしたちを出迎えてくれた。
「ふうーっ! 間に合ったっ!!」
それはもう軽快に。お祝い事には欠かせないクラッカーを鳴らした、綻んだ笑顔のシントとバッチリ目が合う。
それだけで嬉しくて。歪みそうになる視界を必死に堪えて……。
「……せ~のっ! おかえりっ!! 葵!!!!」
おかえり――と。割れんばかりに反響するの声は、きっと皇の広い敷地中に響き渡っただろう。
それはちょっと恥ずかしかったけど。でもやっぱり、すごく嬉しいから。今度こそ、ちゃんと答えるんだ。大きく息を吸いながら。大きな一歩を踏み締めて。
「ただいまかえりましたー!!!!」
それに負けないくらいの、大きな大きな声で返そう。
大好きなわたしの――――家族たちに。
「それはそうとシント、よくそんな大っきなクラッカー二つも持ってたね」
「……うん」
「え。ど、どうしたの……」
「二つはね。……持ってたんだ。予備で」
「え? う、うん?」
「……ぐすん」
「……あ。もしかしてヒナタくん……」
「もうっ! 間に合わないと思ったんだから!!」
「俺も連れ回されて散々だった」
「あ。アキラくん! なんでお皿にそんなにいっぱいケーキが乗ってるの!!」
「……乗せたから?」
「取り敢えず先に野菜を食べなさい。急激な血糖値の上昇を和らげます」
「はい。わかりました、先生」
「今日は無礼講だから少々ならいいけど、本当に食べ過ぎたらアキラくん足の指とか切断するようになるかもよ?」
「俺のアキにそんなことはさせない!」
「シン兄うるさい」
「シントうるさい」
「……大好きな二人に、なんで俺はこんな扱い……」



