(にしてもあれだね。ユズちゃんの時々感じる勇ましさは、カエデさん譲りだね)
そんなことに一人で納得して。みんながいる場所へとわたしは戻っていった。
「仲直りしました?」
「いや、オレらは別に喧嘩してないぞ」
「紛いだったじゃないですか」
「喧嘩じゃないわ? ただの八つ当たりよ」
「ヒイノさん。それはそれで如何なものなのか……」
流石にもうないだろうけど、二人にそっとコーヒーを手渡したから、殴り合いは阻止できただろう。……あ。コーヒーぶっかけられたらごめん、父よ母よ。
「……あおいちゃん。お二人には……?」
「あ。……はい。父と母にはもう、正直に話はしたんです」
どんなことをしてきてしまったのか。どんな気持ちだったのか。そして今は、どう思っているのか。……本当に、正直に。
「わたしのためを思って、父と母を叩いてくれてありがとうございます。まあ、このくらいで勘弁してやってください」
二人も、自分自身をたくさんたくさん傷つけてきたんだから。それももう、終わりにしよう。もう過去には区切りをつけて、これからのことを考えよう。
「わたしたちはただムカついちゃっただけだもの。ね? あなた」
「ああそうだぞ。あおいが好きなのにー! ってカッとなっただけだ」
「素直に喜べないんですけど。……手は出さないでくださいね、二人とも」
「善処はする」
「善処はするわ」
どえらい『は』を強調して仰いましたけど。
そんな、昔と変わらない二人に、呆れと嬉しさを混ぜながら息をついて。わたしは姿勢を正し、四人を見据えた。
「……わたしは今、こうしてまだ、この世にいるのが不思議でならないんです」
本当に。こうしてまた、花咲家のお二人に会うことも、実の両親に会うこともできないと。そう思っていたから。
「……でも」
まずは左手でヒイノさんの手を取って。次に右手で母の手を取って。二人を見たあと、ミズカさんと父を見て。それで、にこっと笑う。
「こうしてまたみんなに会えて、本当に嬉しいです。一気にたくさんの家族ができて、わたしは今、幸せ絶頂ですっ」
わたしにつられて、四人もまた頬を緩ませてくれていた。
「これからのこと、みんなで話しませんか?」
わたしにとっては『朝日向』も『花咲』も、とても大事で、大好きな家族だから。今まで以上にもっともっと大事にしたいから。
大きく頷いてくれたみんなに、もう一度思い切り笑って。わたしたちは自分たちの思いを伝え合うことにした。



