……そうです。もちろん答えは③ですね。その据わった目がとっても怖かったので。
『ほ、ほんとに嫌だったらヒナタくん今ごろあの世だよ? 本当にやめて欲しかったら本当にぶっ飛ばしてるよ? だからヒナタくんをぶっ飛ばすことは絶対にないんだよおぉー……』
と、慌ててフォローを滑り込みでぶっ込んでおいたんですが。
『でも、カオルに襲われた時ぶっ飛ばさなかったじゃん』
『元五十嵐組の人にも襲われたじゃん』
『あんた力抜けるじゃん。こういうことされたら攻撃できないじゃん』
『オレ以外にも、嫌がらないんじゃん……』
じゃん×5攻撃をぶっ放してきたヒナタくんは、なんか話題をとてつもない方向へと変えてきました。そして再び『ネガ日向』到来。どこからともなくやってくるモードに、そしてまだ適切な取扱説明書を作成しきれていないわたしは、……言ってしまったのです。
『そんなことないよ! だってもうしてるし!』
……と。
『はああ??』
そして再び、ヒナタくんキレちゃうの図。しまった! と思ってすぐ、彼から視線は外しておきました。
『ねえ。誰に襲われたの。オレ聞いてない』
そ、そりゃ言っていませんから。ていうかそもそも、そんなことを相手にしてしまったあとあなたに会ったのは、今日が初めてですけどね。
『……なに。言えないの。誰。誰にやられたの。誰ぶっ飛ばしたの』
ていうかそもそも、ヒナタくんの作戦のせいですけどね。彼、計画通りにわたしを寝かせようとしただけなんですけどね。
けれど、そのあとヒナタくんから『大丈夫……だったの?』とか『助けてあげられなくて……ごめん』って、ものすごく心配そうな声が聞こえてきたもんだから。わたし、堪らず言ってしまったんですよ。
『あのね? ヒナタくん。ぶっ飛ばしちゃったのは、レンくんなの』
よくよく考えたら、ロシアの学校に通ってた時、しつこくデートに誘ってくる人をぶっ飛ばした過去があったのに、なんでそれを言わなかったんだろうと、言って後悔。言うのを渋っていたのは、ヒナタくんのためでもあったんだけど……。
「ほら早くしてよ。毒入れたあと踏み潰さないといけないんだから」
「ふ、ふみっ!?」
――そして冒頭に至ります。
しかも、踏み潰しとくとかって、相手はレンくんだったのか。……流石に止めねば。彼は女子よりも弱いもの。
「ひ、ひなたくん、そういうのは……」
「なに。レンのこと庇うの。なんで」
「いや、庇ってるのはレンくんではなくてヒナタくんである」
「……は?」



