能力使って推しの恋愛サポートするはずが、いつの間にか推されてた!?

推しを発見したことに喜びながら教室に入り、席につく。


本来ならアイドルや俳優の推しには誰ともくっついて欲しくないと思うものだろう。


だが、私にとっての推しは"彼女を作らせたい人"のことなのだ。


(そのためにはまず、名前を知らなくては。あんなに騒がれてたんだからきっと有名人なんだろうな~)


推しの名前を尋ねようと思い前に座っている子に声をかけた。


できれば他の人に聞きたかったが隣も前も誰も座っていなかった。


中学で友達がいなかったわけではないが、事情があって家から少し離れたこの高校に
入ったため、知り合いは一人もいない。


なぜ、私がここまで話しかけるのを渋っているのか。それは、後ろの席の赤嶺司くんは
かっこいいがムスッとしていて怖い色を纏っていたからだ。



(でも、ここは勇気を持つんだ凜)


「あの~..."赤嶺"くん。ちょっとお尋ねしたいことが、、、」