ぐみとリップのいたずらワゴン

「あー今日はたのしかった! 学校のことが好きになっちゃった!」
 かわいくてたのしい学校はあっというまにおわりの時間になりました。
「ありがとうね、リップ。最後に私が好きなばしょをおしえてあげる」
 おうちにかえる前にぐみはリップに、学校のなかのおきにいりをおしえることにしました。
 そこはうさぎやモルモットがいるこやでした。
「私は動物がだいすきなんだ。だからここにいる時間が好き」
 ぐみとリップは動物たちにやさいをあげました。
「教室にいるめだかやきんぎょもだいすきだよ。もっといっしょにあそべたらいいのになあ」
「そのアイデアもいただきっ! いいグッズあったかなあ」
 リップはポケットをさぐりましたが、なにもでてきません。
「よしっ! この子たちにまほうをかけちゃお! じゆうにあそぼう、りりぷぷーい!」
 すると……うさぎたちのすがたは、ぐみとリップくらいの大きさになりました。
 しかもうさぎたちのせなかには白いころんとしたはねがついているではありませんか。
「やったー、ぼくたち空をとんでみたかったんだあ!」
 うさぎたちは、大よころびで空にむかってすすんでしまいます。
「しっぱいしちゃったあ! 追いかけなきゃ!」
「このスニーカーがあればだいじょうぶだよ!」
「ううん。これはジャンプするだけだから空まではいけないよ」
「そうだ!」
 ぐみはせおっているランドセルをおろして、リップに見せました。
「このランドセルに羽根をはやせないかな!?」
「ぐみのアイデアさいっこう! りり、ぷぷーい!」
 リップがまほうをかけると、ぐみのピンクのランドセルに大きな羽根がつきました。
 ふたりはうさぎたちをおいかけます。
「ねぇ、みて! 魚さんたちも空をおよいでる!」
 ぐみの教室から魚たちが出てきました。
 どうやらリップのまほうは、いろんな生き物にかかってしまったみたいです。
 めだかや金魚も楽しそうに、空を泳いでいます。
「みんな楽しそうだね!」
「ゆうがたになるまで遊んじゃおうか!」
 ふたりは空に浮かぶ雲にとうちゃくしました。
「ワーちゃんおいで!」
 リップがよぶといたずらワゴンがでてきました。
「空であそぶのにぴったりないたずらグッズがあるんだよ!」
 リップが取り出したものはたくさんありました。
 ボートは空のうみをおよぐことができます!
 ぐみのボートをたくさんのお魚がかこみ、ぐんぐんこいでくれます。
 雲にぶらさげたどこでもブランコから、ちじょうのようすがよくみえます。
 うさぎさんと、どっちが大きくこげるかしょうぶしました。
 リップはここでもおいしいものにむちゅうです。
 ポケットからスプーンを取り出して、雲をすくって食べています。
「このスプーンですくうと、雲はアイスクリームになるのよ」
「これはバニラ味!」
「こっちはラムネの味がするよ!」
 いつのまにか、空にはにじがかかっていました。
「にじにいたずらまほうをかけちゃおう! りり、ぷぷーい!」
 リップがまほうをかけるけど、へんかはかんじられません。
 まほうはしっぱいでしょうか?
「ぐみ、あのにじをわたってみて!」
 自信まんまんなリップのことばに、ぐみがにじをわたってみると……。
 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド♪
 ぐみが歩くのに合わせて、ピアノの音をかなでたのです。
 とってもきれいなねいろ!
「ぼくたち、ずっとぐみとあそびたかったんだ!」
「いつもわたしたちに会いにきてくれてありがとう!」
 うさぎたちがぐみと手をつなぎました。ぐみは動物たちとたくさんダンスをしました。
☆クイズ 絵の中から、これを探してね。1.ハート模様のうさぎ 2.お花柄の金魚 3.シャーベットスプーン
「すごいね、リップのまほうは! ふつうの一日が、たのしくてかわいいになった!」
 いつのまにか空はオレンジ色になっていました。
「夕方の空はどんな味がするんだろう」
「マンゴージュースかな?」
「キャラメルかも」

 ✦
 
 あっというまに夜になり、ぐみも動物たちもおうちに帰らなくてはいけません。
「帰るのはさみしいな」
「リップのいたずらワゴンはいつだって、そばにいるよ!」
「またぜったいあそぼうね!」
「もっちろん! 次はどこをかわいくしにいこうかな?」
 リップのいたずらなえがおに、ぐみもつられてわらいます。
「そうだ、ぐみにこれをあげる!」
 リップはいたずらワゴンから、ひとつの袋をとりだしました。
 ピンクのリボンがかわいいふくろに、カラフルなグミ!
「ぐみにぴったりでしょ」
「わーいろんな色がある! おいしそう!」
「ずっと友だちでいようね。さいごのまほう、りりぷぷーい!」
 リップはランドセルに向かってまほうをかけました。
 ぐみのランドセルにたくさんのふうせんがつけられています。
「これで、ぐみのおうちまでおくってくれるよ!」 
「ちょっとだけこわいかも」
「しんじていれば、だいじょうぶ」
 リップにはげまされて、ぐみは雲をジャンプ。
 ふわりふわり、とぐみはおうちまでおりていきます。
 どうじに夕日もしずんでいきます。
「とってもきれい……」
 夕日をみながらの空のたびはきれいで、ちょっぴり切なくなりました。
 おうちについたときには、お空はすこしくらくなっていて星が見えます。
「リップだったら、あの星をどんなたのしくて、かわいいものにかえるんだろう?」
 ぐみは目をつむってかんがえました。
 リップはくいしんぼうだから、キャンディーにするかな? それとも、きらきらボールにしてあそぶかな? 星をならべてネックレスにするかも!
 リップのまほうをかんがえると、もうさみしくありません。
「ぐみ、どうしたの? そろそろおうちにはいりなさーい」
 おうちからママが顔をだして、ぐみをよんでいます。
「はーい!」
 ぐみはへんじをしてから、リップからもらったグミをひとつたべました。
 パチパチパチッ☆
 ぐみの口のなかで、それははじけて、空にとび出していきました。
 空には大きな花火がぱーん、とさきました。
「うわぁ~、リップすてきなプレゼントをありがとう」
 ぐみの明日はどんなかわいくてたのしいことがまっているのでしょう!?