「ねえコトちゃん、今度(こんど)日曜日(にちようび)、なにか用事(ようじ)ある?」

 ある()(かえ)(みち)、サラちゃんにそうきかれた。

「うんん。(いえ)にいると(おも)うよ」

「ホント! じゃあ、わたしとルイのバレエ発表会(はっぴょうかい)があるから、よかったらみにきてよ」

「ホント! ふたりがバレエを(おど)るのを()られるの?」

「うん。だから、よかったら(あそ)びにきて」

 夏休(なつやす)みに()た、グランジュッテを()ぶルイくんの姿(すがた)(おも)()す。
 それだけで、わたしの(むね)には魔法(まほう)(こな)をふりかけられたみたいに、キラキラした(おも)いがあふれてくる。
 ルイくんのあのジャンプをまた()たいし、サラちゃんが(おど)姿(すがた)()てみたい。

「ぜったいに()くね」

 わたしが約束(やくそく)をすると、サラちゃんが(こえ)をはずませる。

「よかった。わたしもルイも、発表会(はっぴょうかい)にむけて、すごくいっぱい練習(れんしゅう)しているんだ」

「そうか。そうだよめ」

 舞台(ぶたい)でキレイなダンスを(おど)るために、きっとふたりと努力(どりょく)しているんだよね。