運と運命

「そんなことあるんですー!なんかね〜、めちゃくちゃ機嫌悪そう。どうしたの?」

「機嫌悪そうって何〜…?」
「そのまんまの意味だよ。なんかあったんでしょ?私に何でも言いなさい!」

私は、沙綾に昨日から朝の出来事までを話した。

「あ〜!プリント届けに来てた子!」

と相槌を打ちながら、私の話を最後まで聞いてくれた。

「それで…どうしてあんなに懐かしさが感じられるのか分からないし、名前を聞いたら分かるかもって思ったけど聞けなかったから心残りがあって…それが顔に出ちゃったのかな?」
「なるほどね。で、名前が知りたいと」
「うん…タイミングあるかな…」
「あるんじゃない?また電車で会えるかもしれないじゃん!それに、パン屋さんでも会うでしょ?…うん、タイミングめちゃくちゃある!」

と、何故かドヤ顔をしていた…。

「放課後とか、休み時間とか、話しかけてみれば?」
「うーん…運のない私が偶然会えるとは思えないけど、もし機会があればそうしてみようかな…」
「うん!いつも部活で一緒に帰れなくてごめんね…応援してる!あ、もしかしたら後輩の友達かもしれないし!名前は私にも教えてね」
「ふふ、分かった」

沙綾に後押しされて、元気とちょっぴり勇気が出た。

次に会った時は絶対、名前を聞こう…!