運と運命

「清麗、これ持ってたら絶対大丈夫だからね。安心して行っておいで」
「うん!行ってくる!」

お母さんに渡された、大事なハンカチを握って、お母さんに手を振った。私の為に空いた時間に頑張って縫ってくれていたものだと私は知っていたから、大切にしようと思っていた。
なのに…

「っ…う、あっ…うぅ〜ッ」
「清麗ちゃん!?どうしたの?」
「ままのッ…ハンカチ、なくしたあぁ゛ぁ゛〜〜!」
「お母さんのハンカチ?どんなハンカチかな?先生と一緒に探そう!」
「う゛ぅ゛ぅ〜ッ」

私はお母さんからもらった大切なハンカチを落としてしまった。こういう所にも運の悪さが出ているのだろう。

「あれ?清麗ちゃんとせんせー、何してるの?」

「あっ、翠くん!
清麗ちゃん、ハンカチ落としちゃってね。今から一緒に探そう!ってしてたとこだよ!」

「…ねー、それってさ?これ?」

そう言って、翠くんは私の前に差し出した。
それは、紛れもなく私のお母さんが縫ってくれた、大事なハンカチで。

「ッ…!う゛ん…!」

泣いて頷きながら、そのハンカチを受け取った。

「あり゛がと…っ」
「うん!いーよ!」

「良かったね〜!翠くんも、ありがとう!」
「うん!ねー清麗ちゃん!おれと一緒に遊ぼー!」

「う、ん…!」

ハンカチを私の手でもう一度触れることができた安心感からまた涙がポロポロと流れでていく。そんなめそめそ泣いている私の前に来て、

「泣かないでー!」と
翠は頭を撫でてくれた。

それが、私と翠くんの出会ったきっかけだった。それから、翠とは幼稚園以外の公園でも遊ぶようになった。小学校は残念なことに離れてしまったけど、その代わり、公園でほぼ毎日のように遊んでいた。