クールな同期は、私にだけ甘い。


「あのとき、お前がパソコンの前で一人で頑張ってる姿を見て、俺は琴音のそばにいたいと強く思ったんだ。もしかしたら……あの瞬間から、俺たちの物語は始まったのかもしれないな」

蓮の言葉は、私の心に深く響いた。

あの夜、初めて蓮が私の頭をポンポンと撫でてくれた瞬間、私は深い絶望の底で、彼という光を見つけた。

それは、仕事のスランプに喘いでいた私にとって、ただの同期だった蓮を、特別な存在として意識し始めた、忘れられない原点だ。

あの出会いが私の人生を、そしてデザイナーとしての私を、全く新しいものへと変えてくれた。

そして今、この場所で、私たちは互いの手をぎゅっと強く握りしめている。

「琴音……好きだよ」

「私も。蓮のことが大好き」

最高のクリエイティブを共に生み出す仕事の、そして、心の奥底で互いを支え高め合える人生のパートナーとして、私たちは確かな未来を歩み始めている。

窓の外に広がる都心の夜景は、あの日の蒸し暑さが嘘のように、すっかり秋の涼しい空気に包まれている。

きらめく無数のビルの灯りが、まるで私たち二人の未来を、明るく照らしてくれているようだった。

【完】