一つ、クラスの生徒は全員参加。

 二つ、21時、クラスの教室でゲームを開始すること。

 三つ、このゲームは、『カミサマ』とその仲間たちとの鬼ごっこ。

 四つ、一人に一つ『お題』が課され、ゲーム中は絶対遵守される。

 五つ、『カミサマ』の命令には従うこと。

 どうも、漢字じゃなくて、カタカナの『カミサマ』なのが大事らしい。お題もよく分からないけど……どうせ何も起こらないだろうし、深く考えなくていっか!

「そろそろ9時になるわ。机邪魔だから少し動かしましょ」

 席に座っていた愛佳が立ち上がりながら提案する。

 ゲームを始めるには全員が円になって、同時に言葉を唱えないといけないらしい。確かに、二十人が集まれるスペースは無い。

 愛佳の指示通り、音を立てないように慎重に机を持ち上げ、全員で後ろに移動させる。すっかり腕が疲れちゃった。

 時刻は8時58分。教壇を取り囲むように位置取ると、智也が教壇の上に時計を映したスマホを置いた。

「57秒になったら、『皐月中学校2年A組生徒男女20名』って唱えるんだ。結構早口だから、噛まないように気をつけてくれな」

 教室にある壁掛け時計の秒針が、タイムリミットを刻む音が聞こえる。静寂に包まれた教室で、皆の顔には期待、恐怖、興奮……様々な感情が浮かぶ。

 スマホの液晶に映し出された秒数が、徐々にゲームの開幕の合図を宣告していた。

 53、54、55、56……57!

『皐月中学校2年A組生徒男女20名!』

 全員の声が重なり、言い終わる頃にスマホの秒針はきっかり12を指した。
 噛みそうなほど早口で唱えられた言葉の後に残ったのは、緊張感漂う沈黙。

 何が起きるんだろう。智也の話なら、教室にあるスピーカーから音が流れるはず……だけど。

「……何も起きない?」