進路面談ウィーク。
三年担任の角谷は、連日生徒との面談に追われていた。
「はい、じゃあ次の面談、深沢くんね。渡部先生も一緒に入ってくれるから」
理系科目担当として、渡部が同席することが多かった。
何気なく渡部の話し方を横で聞きながら、角谷はふと、思った。
(やっぱり……この人、進路指導うまいな)
淡々としてるようで、言葉を選ぶのがうまい。
生徒の心の引っかかりに、少しずつ寄り添うような聞き方をする。
「焦らなくていい」
「“好き”から始めていいんだよ」
ああいう言葉は、自分には出てこないな──
そう思った瞬間、視線の先にいる“彼女”の顔が浮かんだ。
***
その夜、角谷は
職員室のキャビネットから持ち帰った昔の卒業アルバムを開いていた。
前はコメの写真しか見ていない…
1組。
そして、2組。
目で追っていく。
(……渡部先生。いた。)
ページ止める。
さっきまで笑っていたあの顔が、昔の若い笑顔と重なった。
目を細めた。
なにか、小さな違和感が胸に積もっていた。
(俺は……彼女のこと、どれだけ知ってるんだろう)
三年担任の角谷は、連日生徒との面談に追われていた。
「はい、じゃあ次の面談、深沢くんね。渡部先生も一緒に入ってくれるから」
理系科目担当として、渡部が同席することが多かった。
何気なく渡部の話し方を横で聞きながら、角谷はふと、思った。
(やっぱり……この人、進路指導うまいな)
淡々としてるようで、言葉を選ぶのがうまい。
生徒の心の引っかかりに、少しずつ寄り添うような聞き方をする。
「焦らなくていい」
「“好き”から始めていいんだよ」
ああいう言葉は、自分には出てこないな──
そう思った瞬間、視線の先にいる“彼女”の顔が浮かんだ。
***
その夜、角谷は
職員室のキャビネットから持ち帰った昔の卒業アルバムを開いていた。
前はコメの写真しか見ていない…
1組。
そして、2組。
目で追っていく。
(……渡部先生。いた。)
ページ止める。
さっきまで笑っていたあの顔が、昔の若い笑顔と重なった。
目を細めた。
なにか、小さな違和感が胸に積もっていた。
(俺は……彼女のこと、どれだけ知ってるんだろう)



