角谷は机の端に置かれた教務資料ファイルをキャビネットへしまいにいく。
ふと、校長先生の机に置かれた過去の卒業アルバムが目に入る。
何気なく視線を落とし、角谷は指先でページをめくる。
──そのときだった。
一枚の集合写真に、見慣れた顔があった。
「……え?」
声が漏れた。
紺の制服に、肩までの黒髪。まだあどけなさを残した笑顔。
でも、間違いない。コメだった。
(この学校……、母校だったんだ)
数秒、頭の中のパズルがかちゃりと音を立ててはまっていく。
(ってことは、渡部先生……当時、ここの教師……?)
考えるのをやめようとしたとき、
遠く、チャイムが鳴った。
角谷はアルバムを閉じ、ゆっくりとキャビネットへ向かった
静かな放課後の職員室には、時計の針の音だけが響いていた。
ふと、校長先生の机に置かれた過去の卒業アルバムが目に入る。
何気なく視線を落とし、角谷は指先でページをめくる。
──そのときだった。
一枚の集合写真に、見慣れた顔があった。
「……え?」
声が漏れた。
紺の制服に、肩までの黒髪。まだあどけなさを残した笑顔。
でも、間違いない。コメだった。
(この学校……、母校だったんだ)
数秒、頭の中のパズルがかちゃりと音を立ててはまっていく。
(ってことは、渡部先生……当時、ここの教師……?)
考えるのをやめようとしたとき、
遠く、チャイムが鳴った。
角谷はアルバムを閉じ、ゆっくりとキャビネットへ向かった
静かな放課後の職員室には、時計の針の音だけが響いていた。



