「…か、可愛くなんかないですよ」


私は咄嗟に否定したが


「いや、優花が無自覚なだけだよ。
学校で男に言い寄られたりしてないよね?」

「…いえ、全然そんな事はないですよ」

「本当に心配…。
優花の彼氏になれたのは嬉しいけど、
俺めちゃくちゃ束縛しそうですぐに優花に嫌われそうで怖いな」


高坂君はなぜか心配そうにしている。
…私の事が好きだと言うのは高坂君くらいだと思うけど。そう心の中で思っていると


「あ…ヤバい。そろそろ行かないと」


高坂君は腕時計で時間を見ると
静かにそう呟いた。